中学レベルの英語力しかなかった私がニューヨークの美術大学に入るまで

前回の記事で、留学の準備が不十分で渡米後に相当苦労したと書きましたが、今回はこの苦労と美大入学準備についてお話しさせて頂こうと思います。
一口に「留学準備」と言っても、あまりの広義さに誰しも漠然としたイメージしか持っておられないのではないでしょうか。

アメリカ ニューヨーク

そもそも私は「アメリカの美大に入る」という、英語ができない頃から思うと相当無茶なことを夢見るだけで、文字通り特に何も調べずに渡米前の日々を悠長に過ごすだけでした。志望する大学に入る為に必要な書類やポートフォリオ等なにも知らずに「とりえあえず語学学校で英語力を身につければなんとかなる」と呑気な考えで当面の宿と語学学校に通う手配だけをし、渡米しました。

ここまで聞いて、留学経験者でなくともその無謀さに気づくことでしょう。結果としてマンハッタンの地下鉄で本気で迷子になるわ、毎晩ホームシックだわ、言葉が不自由で買い物にも一苦労だわ、ルームシェアしてるメキシコ人やフランス人ともめるわ…凄惨たる日々が続きました。「大学に入る」というゴールがどんどん遠退いている気がして、漠然とした恐怖や空虚を感じ毎日泣いていました。

ニューヨーク

ひたすら語学学校に通うだけの日々も数ヶ月が経とうとしていた頃、さすがにもう限界だと思い現地の留学生サポート会社のようなところに相談に行くと「それならこの学校に移っては?」と提案されました。
見学の予約をし向かったその学校は、当時通っていた語学学校から徒歩で15分の距離にありました。マンハッタンの韓国街にあるその学校では、美術系の授業の単位が取得できる上に、TOEFLの授業も実施していました。
すぐに手続きを取り転校して授業をフルタイムで受け始めると、渡米から半年近く経ってやっと「美大に入る」という考えが夢物語から少し現実味を帯び始めます。目標とする大学の入学に必要なTOEFLの点数、保有単位次第でfreshmanのスタートではなくsophmoreに編入して始められること、ポートフォリオの中身の傾向…全てサポートしてもらいました。humanityの単位も必要で、それらは別でコミュニティカレッジのオンラインコースで単位を取得と良いなども教えてもらいました。
近い距離にこんなにも自分にぴったりな学校があったというのに、留学準備不足のせいで鬱々とした数ヶ月を過ごしてしまったのです。初めて己の無知さと愚かさに気づかされ、人生で一番泣きました。

ただがむしゃらに自分に見つけた目標や課題をこなす日々が1年程続き、渡米から約1年半、ようやく大学入学にこぎつけたのです。
しかしながら、大学入学は渡米前の私のゴールでした。入学後は卒業という壮大なゴールが待っており、これに到るまでがまた死ぬほどしんどかったのですが、それはまた別の記事でお話しできればと思います。

アメリカの美術大学

終わってみれば「たられば」理論で後悔を書き出せますが、当時はとにかく毎日がしんどかったです。日本にいるうちにできたことはもっとあったな、とか、事前にインターネットで調べておけば始めからこの学校に入っていたのにな、とか。
10代のうちの若さと勢いだけで非現実的な夢物語を生き生きと話してる過去の自分が今目の前にいたら「こいつふざけてる」と憤り、全力で留学を止めているところです。
私ほどの無知さで留学に臨んでいる人も少ないことと思いますが、存外、現地には私以上の無謀さで渡米している人は多かったです。大学入学や自身の目標を諦めて母国に帰る留学生に死ぬほど会いました。そんな別れに多く直面しましたが、自分の目標や夢にしがみつけない人との別れは特に悲しくはなかったです。

最後に、「現地の英語にふれたい!」や「自分探し!」なんてふわふわした思いで行けば一生のトラウマになります。現地の誰が一体あなたの英語練習に付き合ってくれるのでしょう。外国籍の人と喋りたいのなら駅前留学で事足ります。自分すら見つけ出せてない人が外国に行って何を見つけられるのでしょう。「外国に行くこと」を目標にするのではなく、結果として「やりたいことが外国でしかできない」ことである必要があります。英語そのものも、「英語を使った先にあるもの」を見据えて勉強をしないと、途中でつらくなります。
月並みなアドバイスにはなりますが、もし「留学したい」とお考えの方はもう一度「目標」と「具体的なプラン」と「十分すぎるくらいの下調べ」を繰り返すことが、私のような愚かしい時間を過ごさずに済み、より良い留学経験ができることと思います。

次回は、「『いつか大好きなハリウッド俳優と会話する』と妄想して英語を勉強していた私がその妄想を実現させるまで」を記事にしたいと思います。

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この記事の著者

MK

MK

高校卒業後単身で渡米。現地の美術大学を卒業後日本に帰国、フリーランスの服飾デザイナーとして活動。
中学生時代から趣味で漫画を執筆、現在は主に女性向け電子書籍の漫画を頒布。

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