オーストラリアの大学留学について整理してみた
英語圏の留学であれば、アメリカ、イギリス、カナダなどなど選択肢がありますが、オーストラリアの大学はどうでしょうか?
私はオーストラリアの大学に1年間交換留学で行っていたのですが、大学教育の質には定評がありますし、留学生も多く、留学生が学ぶのに良い環境だと思います。
オーストラリアの大学について整理してみました。
1.オーストラリアの大学の1年間の流れ
1年間は、2学期制になっています。
- 2月下旬:年度がスタート
- 2月下旬から6月下旬:Semester 1(日本の大学の前期にあたる)
- 間の4月:Mid Sem breakと呼ばれる中休みが1週間
- 6月下旬から7月下旬:冬休み(日本と季節が逆)
- 7月下旬から11月下旬:Semester2(後期)
- 間の9月:mid sem breakが1週間
- 11月下旬から2月下:夏休み
通常は3年間(文系の場合)ですが、医学、建築学、工学などの理系コースでは4~6年と長い傾向にあります。私の大学では、law 4年、engineering/architecture 4年、med 6年でした。
優秀な成績を収めると、Honors と呼ばれる1年間の研究過程に進むことができます。その間に研究し日本で言う卒業論文を書く人が多いです。
※Semester(セメスター)について、こちらの記事も参考に!
「いまさら聞けない!アカデミックイヤーとは?学期制って?」
2.オーストラリアの大学に行こう!
オーストラリアの大学に1年間留学していた筆者の目線から、オススメポイントを3つご紹介します。
留学生の多さ
オーストラリアにある各大学のほぼ全てに留学生が在籍しており、100カ国を超える留学生が学んでいます。留学生は、学生全体の20%にもなるようです。
教育の質の高さ
教育の質の高さは留学しているときに感じたのですが、調べたところ、2校以外は全て公立校で連邦政府と州政府、更に大学管理理事会によってそれぞれの大学が一定の高い水準に保たれているため、大学間の大きな格差がないのが特徴です。
大学のかずは40と少なく、約6校が世界大学ランキングの100位以内にランクインしています。
時差が少ない
オーストラリアには通常3つの時間帯がある。東海岸の各州(シドニー、ケアンズ、ブリズベン、メルボルン)は日本時間に1時間プラス、中央部は(ダーウィン、アデレード)日本時間に30分プラス)、西部(パース)は日本時間から1時間マイナス。
毎年10月初めから4月初めまで(具体的な日は各都市によって異なる)はデイライトセービング(サマータイ)を実施。この期間は1時間差が開きます。
私は2回目の留学でしたので、それほど連絡は取りませんでしたが、日本の家族に連絡するときは、時差はほとんど気にしなかったので、楽でした。
3.オーストラリアの大学に留学するにはどうしたらよい?
日本の高校をでて、オーストラリアの大学に正規留学する
進学準備期間として留学生は『ファンデーション・コース』と呼ばれる1年間のコース受講が義務付けられています。その後、大学に入学します。
留学生に対しては、日本であるような大学受験の試験はないそうです。
交換留学でいく
私はこの方法で行きました。一番重要なのは、英語のスコアです。一般的に、大学の交換留学で必要なスコアが最低でも6.0で、6.5あるのが望ましいと思います。ちなみに私の行ってた大学では6.5要りました。
オーストラリアではアイエルツの方がポピュラーなのと、試験内容としてそのまで専門性が高くないと言われているので、私はアイエルツを受験しました。
英語スコアを取得した後は、一般的に志望理由書や面接になるかと思いますが、各大学によって異なるので割愛します。
とりあえず、英語のスコア頑張って取りましょう!!
その他
一般的に言われる大学、と呼ばれるものとは少し毛色が違うかもしれませんが、休学して、TAFEというのも選択肢としてありますね。TAFEとはオーストラリアの各州政府が運営する職業訓練専門の教育機関です。
科目を豊富にそろえているところもありますが、観光業、ビジネス、デザインなど、特定の分野を専門にしている学校が多いのが特徴です。ここのコースを修了すると大学に編入する道もあります。
4.オーストラリアの大学院にいくにはどうしたらよい?
大学を卒業し、大学の成績が優秀で、英語力があれば大学院への留学は可能です。期間は、日本と同じでマスターが2年、ドクターが3年です。
英語力は、オーストラリアではTOEFLよりはIELTSのほうが一般的で、専攻にもよりますが6.5〜7.0ポイント程度が必要です。学部だと6.0レベルでもOKなところもあるようですが、大学院ですと6.5は必須と考えておいた方が良いでしょう。英語力を磨き、学部での成績は良い成績を修めておきましょう。
書類(大学卒業証明書、成績証明書)などは、英文で必要です。大学であれば、英文の証明書を依頼すれば殆どの大学で作成してくれます。
なお、特に理科系の場合は、研究室の教授に事前コンタクトをとり、研究テーマを詰めておく方がウェイトが多かったりもしますので状況しだいですね。
5.どの大学に行けばよい?オーストラリアの大学ランキング
QSのUniversity Ranking 2016-2017で、TOP100にランクインしたオーストラリアの有名大学5校を紹介します。
Australian National University (ANU) 22位
キャンベラに位置するオーストラリアトップの名門校で、世界でも有名な大学。
特徴としてはリサーチ重視であるようで、大学院生の数が学部生より上回っていることです。留学生に対しては、各国の試験により入学のボーダーが設けられています。
留学生用に、ANU Access English と呼ばれる10週間の集中英語コースや、The Academic English Preparation (AEP) programと呼ばれる、中級用の英語コースもあるようです。
University of Melborne 42位
メルボルンに位置する大学。特徴としては、2008年から導入されたメルボルンモデルと呼ばれる独自のカリキュラム。これは学部レベルで一般的な知識を広く身につけ、更に大学院で専門性を高めるというものです。
留学生用に、Intense Academic Programと呼ばれる5-10週の英語のプログラムや、English for Academic Purposes と呼ばれる、今後大学入学やTAFEなどに必要な英語を楽手するものもあります。
University of Sydney 46位
シドニー中心部に位置する大学。特徴としては文系に強い大学。筆者も一度訪れたことがありますが、校舎がとても古く、ハリーポッターに出てきそうな感じのものでした。(笑)
留学生用のプログラムとしては、Our Direct Entry Course (DEC)と呼ばれる、進む学部に合わせた英語のコースがあるようです。他にはGraduate programsという、アカデミック英語に特化したコースもあるようです。
University of New South Wales 49位
この大学もシドニーに位置します。私が通っていた大学です!
特徴としては、ビジネスや理系の科目(特に工学)に強い大学です。
留学生用としては、The University English Entry Course (UEEC)という、UNSWから条件つきの入学許可を得て、英語のスコアが足りない場合のコース。他にはThe Tertiary Orientation Program (TOP)は5週間の英語集中プログラムなどもあります。
University of Queensland 51位
ブリズベンに位置する大学。
特徴としてはリサーチが有名な大学で、就学環境は大変整っています。14にも及ぶ図書館の数、また10カ所の学生寮があるそうです。
留学生用としては、General Englishと呼ばれる、英語全般の力を伸ばすコースや、English for International Business Communicationと呼ばれる、ビジネス英語に特化したコースもあります。
※ビジネス英語について「語学留学でビジネス英語を学ぶ」
6.オーストラリアの大学の費用はどうなっている?
授業料など教材費について
一般的に日本の国立だと年間50万、私立だと100~120万ほどかかりますが、オーストラリアの場合(私がいたUniversity of New South Walesだと)
文系250万、理系であれば350万ほど。医学部だと、年間600万ほどかかるそうです。
そして教科書代、これも一概には言えませんが、日本の教科書より全然高いです。
1冊で100ドルするのがざらで、大学では主に3~4科目1学期間に履修することになるので、まあ5万くらいを見てもらえたらよいのではと思います。
高いので、second hand(中古)をネットで買ったり、図書館で借りるのがオススメです。
できれば、先生に絶対必要な教科書はどれか聞いて、最小限にとどめるのが賢いかと思います。
奨学金
大学の留学はお金がかかりますね。奨学金の情報を少しご紹介します。
- エンデバー奨学金~オーストラリア政府による奨学金
- トビタテ!留学JAPAN~日本政府による大学生、大学院生のための奨学金
- 各大学が提供している奨学金~各大学のホームページで確認を
滞在費・家賃について
- ホームステイ
- フラット
- 寮
の3つが主であると思いますが、簡単にそれぞれのメリット、デメリットを。
a.ホームステイ
留学初心者にはオススメです。
○:英語漬けの環境ができる。食事や光熱費が込みであると考えればかなりお得なのでは。
×:門限などが決まってる場合もある。食事が合わない場合も。
b.フラット
部屋は一人部屋で、キッチンや洗面所が共同であるところが多いようです。
シドニーの物価が高いので、借りるだけで週に300ドル~400ドルかかるものもあるそうですよ!
○:ホームステイに比べると自由な部分が多い。
×:食事を自分で作らなければならず、時間もお金もかかる。住人がトラブルメーカーだったときは大変。(ずっとパーティーしたりということもあるらしい)
c.寮
個人的にオススメ!です。値段は寮によって違いますが、平均300~400ドルのものが多かった印象。
○:友達がすぐ横にいることの安心感。(一度壊れたプリンターを直してもらったりしました)なにより友達がいっぱいできる!
×:横の部屋との距離が近いと騒音とかが結構気になる。
食費は?
オーストラリアの物価はとても高いです。例えば、水のペットボトルで3ドル、朝ごはんは5ドルくらい、昼ごはん平均10-15ドル、 夜20ドルから。これで概算すると、1日で40ドル、1週間で280ドルですね。
これは一番高く見積もって計算したので、工夫すればもっと安く済ませることができると思います!
7.学生の雰囲気はどう?
本当によく勉強します!
暇があれば勉強という感じでした。(ちなみに試験前は図書館24時間ずっと空いてます)
日本の大学で、「勉強した」なんて、言えないなあと思ったくらいです。
アメリカの大学には行ったことないので分かりませんが、アメリカから来た留学生が「きつい」と言っていたくらいなので、他国と比べてもかなり勉強量が多いみたいですね。
初めにもちょこっと書きましたが、留学生の数が多いので、実際に留学していてもあまり浮かなかった気がします。オージーは留学生にとても親切であった印象があります。
8.まとめ
オーストラリアに留学した一人として、オーストラリアの大学にまつわる色々な情報を書かせて頂きました。
それを全部ひっくるめてオーストラリアに留学して良かったと思うので、みなさまもぜひ一度オーストラリア留学をご検討してみてください!
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