人生で必ず役に立つ技術、スピーチとプレゼンテーションスキルを磨こう!・・後編

皆さん、こんにちは! 『前編』では、アメリカの大学で行われている、スピーチとプレゼンテーションの技術を習得する授業を紹介しました。 さて、私たち日本人はプレゼンテーションが大変苦手だ、とよく言われます。その理由として、他と同調しようとする民族性や和を重視して、目立とうとしない文化などの意見があります。理由はともかく、確かに私たちは人前で立って一人で何かする、という行為に対して、非常に後ろ向きです。 「目立つのが恥ずかしい・・・」「皆の視線が気になる」「私の発表なんて、聞いても意味ないよ・・・」 私自身も、留学前までこんな考えでした。自分の意見をはっきりと公に向けて伝えるのは、すごく恥ずかしかったし、何より意見が受け入れられず「何言ってんだ?」と思われるんじゃないか・・・って考えていました。
留学
一人だけなのは、恥ずかしい!?
しかし、スピーチやプレゼンテーションのスキルは、留学だけでなく、今後社会でも必要とされる技術です。例えば、就職活動での面接。それは「自分」を相手側にアピールする、いわば「自分のプレゼンテーション」とも言えます。相手の気持ちをグッと惹き付け、自分のストーリーを紹介し、相手に印象を与える。シンプルだけど、大切なことです。 今回は、私が留学中に学んだ、効果的なプレゼンの構造と技術の両方をご紹介しましょう!

プレゼンテーションの基本的な構造

プレゼンテーションは大きく分けて・・・
  1. イントロダクション
  2. 内容(意見と根拠の紹介)
  3. まとめ
  4. Q&A
・・・の4パートに分かれています。このうち重要なのは2番目にある「内容」です。プレゼンでは「自分の意見が相手に伝わること」を第一に考えてください。そのためには、自分の意見・主張に加えて、それを裏付ける根拠やデータが必要です。これらを紹介する際には3つのポイントにまとめておきましょう。例えば、【留学に行くメリット】について伝える場合は・・・
  1. 留学のデメリット
  2. 留学のメリット
  3. オススメの留学先
・・・こんな感じです。この場合、あえてデメリットを最初に紹介し、それ以上のメリットを伝えることで、留学の大切さを訴えることができます。ほとんどのプレゼンでは、3つにまとめるのが主流です。その方がまとまっており、聞いている方もわかりやすいです。もちろん、根拠が4つでも5つでも大丈夫ですが、「伝わりやすさ=分かりやすさ」を大切にしてくださいね。  

相手の心を掴むために

プレゼンテーション
皆が皆、興味があるわけではない・・・
アメリカ式勉強法:試験編で、プレゼンテーションの内容は、レポートと変わらず、自分の見解をシッカリとした根拠に基づいて伝えることだ、と述べました。しかし、教授に直接読んでもらえるレポートとは違い、プレゼンには不特定多数の観客がいます。自分の意見を聞いてくれる人ばかりではない!ということです。中には反対意見の人もいれば、そもそも興味を持っていない人もいます。そんな人たちの心を掴むには、論理的な文章だけでなく、感情に訴えることが重要です。テレビで見るようなプレゼンターの人たちは、そのことを理解しており、中にはアドリブでその効果を狙う人もいます。 しかし、何よりも重要なことは実際に使う原稿です。自分の考え・意見を整理しておくことで、どの部分を強調したいのか。そのために必要なコトバを選ぶことが出来ます。まずはその部分から見ていきましょう!

―イントロダクションに全てをかける!

小説でも映画でも、思わず引き込まれてしまうストーリーは、「おぉっ!?」と思わせる場面から始まります。プレゼンも同じです。5人でも100人でも、観客を惹き付けるには、まずこちらに注意を向ける必要があります。このことを釣り針に例えて、 “Hook” と呼んでいます。効果的な “Hook” には色々ありますが、もっとも代表的なものは・・・
  • 知らない情報を伝える(例:世界では3人に1人の女性が性的暴行をうけているのです!by 世界保健機関
  • 質問を投げかける(例:世界で一日何台のパソコンが売られていると思いますか?)
・・・この2つです。どちらも効果的なので、両方を合体させ「実は~だって知っていましたか?」という形にもできます。 “Hook” の中には、軽快なジョークを言って、場を和ませる方法もあります。相手の緊張をほぐして、意見を受け入れやすくする、という高等テクニックです。形はどうあれ、“Hook” にはみんなが驚く情報を使いましょう。ショッキングであればある程、先の話が気になるからです。
プレゼンテーション
魚を釣るがごとく、観客の興味を釣る!

―初めに概要を説明!

“Hook” で皆の注目を集めたのなら、一気に内容へ・・・進んでは行けません! 先ほども述べましたが、観客の中には興味のない人もいるかもしれません。また、他にもプレゼンをする人がいた場合、もう聞き飽きている人がいることもあります。そんな人たちに向けては、自分のプレゼンの概要を説明しましょう。
  • なぜこのテーマを選んだのか
  • 自分はどういう考えなのか
  • どういう内容を伝えるのか
  • プレゼン終了の時間の目安
この4点に触れておくと良いですよ。プレゼンのゴールと、そこへ向かう道を見せることで、共に進んでいく一体感を持ってもらいましょう。

―大事なことは繰り返す

「伝わりやすさ=分かりやすさ」を追求する場合、もう一つ大事なポイントは「大事なことは繰り返す」ことです。繰り返し同じことを伝えることで、相手は「あ、またこれ?」と考えます。そうすることで、相手の記憶に残り、自分の考えが分かりやすくなります。論理的に説明できれば、共感してもらえる確率もグンと上がります。 そして、最後のまとめでも、その大事なことを繰り返しましょう。最後のダメ押しってやつですね。

―ビジュアルを大切に

プレゼンでもう一つ大切なこと。それは、「ビジュアルに訴えること」です。どんなに衝撃的なデータを使っても、論理的な根拠を述べても、理解されなかったら意味がありません。そのために、耳だけでなく相手の目にも伝わるようにします。「百聞は一見に如かず」ということです。グラフや画像、動画を使い、目に見える形にして相手に見せましょう。
プレゼンテーション
「えっ!本当に!?」と観客に思わせよう!
その際に注意してもらいたいのが、ビジュアルの種類です。なるべくテーマに沿った、関連性のあるものを使いましょう。例えば【留学に行くメリット】というテーマなら、留学の感想をまとめたデータや満足度を表した円グラフ、実際に留学に行った人たちの感想をビデオでまとめた数分の動画などなど。できれば、自分が伝える根拠やデータを表した資料を使いましょう。 また、プレゼンそのものにも工夫を凝らすと良いです。例えば、強調したい部分を太字にしたり色を変えたり、文章にアニメーションを足したり・・・クリエイティブに表現しましょう!

プレゼンテーション本番前の準備

さて、プレゼンの原稿が出来たならば、一度は声に出して読んでおきましょう。使っている言葉やニュアンスの違い、書いている最中には気づかなかった点がたくさん出てきます。特に、専門用語や難しい表現を多く使いがちなので、相手に伝わりやすい、簡単なものを選びましょう。コツは「自分が聞いて、わかるかどうか」です。発表者がヘンだと思うものは相手にも伝わりますからね。

―緊張しないために!

プレゼンテーションで緊張
緊張するのは仕方ないけど、最低限に抑えよう
実際のプレゼンでは、他人に向けて行います・・・観客の目やリアクションが気になってしょうがないですよね。しかし、プレゼンも試験と同じ。しっかりと準備をしておけば、本番も安心です!そのためにやっておくべきことは、暗記できるまで原稿を読み込んでおくことです。どういう流れでどういうことを言うのか。これが分かっているだけでも、気持ちが楽ですよ。 それを踏まえたうえで、私自身も行った、本番のあがらない練習法をご紹介します。
  1. 鏡の前で練習する
  2. プレゼンを録音する
  3. 友達に聞いてもらう
この3つを順番に行うだけです! まず『鏡の前で練習する』ことで、実際にプレゼンをしている自分の姿を、客観視できます。特に、観客の方を見ているのか・目が泳いでいないか、という目線が分かります。落ち着かない動きはプレゼンの邪魔ですので、この段階で直しておきましょう。次に『プレゼンを録音する』ことで、今度は自分の声を客観的に理解出来ます。自分では上手くできたつもりでも、録音してみると、思わぬ部分で想像と違うことがあります。抑揚のない、棒読み状態になっていたり、逆に抑揚をつけすぎていたり、緊張して早口になっていたりします。焦らずゆっくり、はっきりと発音することを心掛けましょう。 2つの練習が終わり、プレゼンに自信が付いたなら、最後に『友達に聞いてもらう』ことです。本番前に、身近な人に向けてリハーサルをして、慣れていきます。そして、友達からフィードバックをもらい、改善していきましょう! この練習で気を付けておきたいのは、相手の方を見ることです。原稿ばかり見て顔が下向きですと、声が響きにくく、何より見た目に説得力がありません。自分が観客の立場ならわかると思いますが、下ばかり見てボソボソ言っている人と、こちらを見てハキハキ喋っている人。どちらの人のプレゼンを聞きたいですか?プレゼンは、自分の意見を公に向けて発信する場です。堂々と自信を持って伝えましょう!
プレゼンテーション
何を伝えたいのか。堂々と伝えよう!

まとめ

プレゼンテーションで大切なのは「自分の意見を聞いてもらい、わかってもらう」ことです。そのためには、裏打ちとなる“ロジック”と相手の心情に訴えかける“パッション”の両方が必要不可欠です。最も大事なことを伝えるには、相手の心に響く言葉と目で見てわかるビジュアルで訴える・・・それも、一度ではなく何度も繰り返すことです。 人の注目が集まる中の発表は、誰だって緊張するものです。しかし、何度も何度も練習を繰り返しておくことで「慣れ」をつくり、その緊張に打ち勝つこと。それこそが、将来の生活でも必ず役に立つ技術に必要なことです。

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