ドイツの就職事情。”スペシャリストを育てる”ドイツの職業教育

ドイツでの就職   こんにちは、ドイツのフランクフルトに留学中のライターAnです。 日本の就活と大きく異なる、ドイツの就職事情について紹介します。  

1. ドイツの就職事情は日本と大きく異なる

ドイツに来て、ドイツの学生と日本の就職について話した時に、びっくりされることが多々ありました。 「大学の勉強と就職は関係ないの?なぜ?」 「なんで新卒を一括で採用するの?なんのスキルもないのに?」 「院生が就職できないなんて信じられない!」 などなど…。 ドイツの就職制度は、日本のものとは大きく異なります。 というかそもそも、教育制度から大きく異なっているのです。  

2. 小学5年生にして運命が決まる!?進学or職人コース

ドイツの職業訓練 ドイツの学生は、小学1年生から小学4年生までは、全員Grundschuleという基礎学校に通います。 その後は、 ① 進学コース ② 職人コース の大きく二つに分かれます。   ① のコースの場合は、8年間ギムナジウムという学校に通い、大学に入るための準備をします。日本の中学校・高校の教育に近いです。その後、18歳になる年にアビトゥーアという大学入学資格を取得し、大学に入ります。 ② のコースの場合は、5年間か6年間、基幹学校または実科学校で職業教育を受けます。基幹学校に通う学生の多くは職業教育のみを受け、15歳前後で就職。実科学校に通う生徒は職業教育に加えて高等教育を受け、成績が優秀な場合はギムナジウムに進学、そうでなければ基幹学校と同様に15歳程度で就職をします。  

3. 大学に行かない場合は、「スペシャリスト」に

ドイツで就職 ドイツでは6歳から15歳までの期間が義務教育とされています。16歳からは就職が出来るのですが、18歳までは就職しながら定時制の職業学校に通学する必要があります。 この「就職しながら定時制の職業学校に通学するシステム」のことを、「デュアルシステム」と呼び、就職しながら職業訓練を受けることを「Ausbildung」と呼んでいます。 大学に進学をしないドイツの学生は、基幹学校または実科学校を卒業した後、デュアルシステムのもと働きながら職業訓練を受けます。Ausbildungの費用は企業が負担していることがほとんどなので、学生は働きながら、職業訓練を受けることができます。 タクシーの運転手でも、事務仕事でも、就職するためにはAusbildungが必要となります。  

4. 大学ではインターンシップを経て就職へ!

一方、大学に進学する生徒は、先述したようにアビトゥーアをとります。アビトゥーアは州によって難易度が異なるとの噂。アビトゥーアを取った後は、好きな大学に入学することができます。 ドイツの大学には偏差値がないので、自分の専門分野に合わせて大学を選びます。私の通うゲーテ大学は、経済やビジネスの分野が特に有名なので、それらを学びに通いに来る人が多いようです。 その後、ドイツの学生はインターンシップを経て就職をします。インターンシップは大学によって異なり、卒業のために必須なパターン、必須ではないが大学が推奨するパターン、学生が自分の意思で参加するパターンなどがあります。インターンシップで、自分の勉強と実務を関連づけ、その上で実務経験を強みとして就職します。 大学の授業を受けていると、企業の人がインターンシップの広報をしにくることも多いです。多くは数ヶ月〜1年ほどのプログラムで、フルタイムでの参加になります。  

5. どのぐらい大学に進学するの?

ドイツでの大学進学 ドイツの大学進学率は、42%。先進国の割には低い数字ですよね。 Ausbildingを経て就職する人はまだまだ多く、彼らは特定の分野のスペシャリストとして重んじられています。大学に行かないという選択をする場合でも、しっかりとした専門教育が施されており、「なんとなく大学に進学する」という選択はあまりないように思えました。 ドイツの教育制度、いかがだったでしょうか?日本とはあまりに違って面白いですよね。専門的な教育が、その後の労働にも影響を与えているのは間違いないはず。日本と比較してみてください。 留学エージェントに資料請求

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