アメリカの男子大学潜入レポート(3) ~ひと編:特異な環境を選んだ男たち~

男子大、Wabash College
シリーズ第1回目の記事で詳しくご紹介しましたが、アメリカには3校の男子大学がいまだ共学化の流れに逆らっています。その1校、Wabash College(ワバッシュ・カレッジまたはウォバッシュ・カレッジ)に私は1年間留学していました。インディアナ州クロフォーズヴィルに位置しています。つまり、「ド田舎」です。 それでも900名の学生が現在在籍してます。日本の大学と比べると極めて少ない印象を受けますが、アメリカのリベラル・アーツ・カレッジは少人数で有名なので、まずまずといった所です。
なぜ男子大か ~選ばれるわけ~
900人の学生、なぜわざわざ田舎の男子大学を選んだのでしょうか。決して、男が多いから選んだわけではありません。私の知る限り、それを直接的な理由に挙げる人はいませんでした。では、なぜか。少し具体的に見てみましょう。卒業生の紹介
これが案外多かった気がします。卒業生から強く勧められてWabashを選んだ学生がたくさんいました。卒業生の強い母校愛が関連しているように思えます。例えば、アメリカ人の友達で、はるばるペンシルバニア州フィラデルフィアから来ている学生がいたのですが、彼も卒業生で理事の知人からゴリ押しされたと言っていました。
アスリートに優しい
Wabash Collegeはスポーツ施設が充実していることで有名です。体育館や競技場、ジム、プールなど実際にとても綺麗で充実している印象を受けました。スポーツ施設充実度に関する全米のランキングでも毎年上位にランクインしています。 また学生の実に4割がスポーツに取り組んでいます。実際に私も自転車チームを中心に、合気道やサッカーなど頻繁に練習していました。 アメリカンフットボールや野球のチームは「Little Giants」と呼ばれ、地元では強豪。それに魅力を感じて入学する学生も多かったです。
奨学金が充実
これを要件に挙げる学生も非常に多かったです。他の大学より、この点が良かったから選んだという声を多く聞きます。留学生の多くがこれを理由にこの男子校を選んでいました。その充実度もあり、First Generation Students(親が大卒ではない学生)の割合も比較的高いです。実に3割。不利な背景を持つ学生にチャンスを与えているという点で、そのことを誇りに思う大学関係者が多くいました。
その他
「家族が代々、Wabashだから」「地元で家から近いから」など他にも様々な理由を聞きました。どんな学生?
ではいったいどのような学生が多いのでしょうか。これは本当に多種多様で、一概にいうことはできません。紳士的な好青年から横柄な人間まで様々です。ただ、Wabash Collegeが「紳士教育」を謳っていることもあり、全体的に優しく親切な学生が多かった気がします。先ほどふれましたが、スポーツに打ち込む体育会系の学生も非常に多かったです。
卒業生は?
政治家やCEOも多いそうです。卒業生との結びつきも強く、在学生は様々な面で卒業生の手助けを受けています。有名な歴史小説『ベン・ハー』の作者ルー・ウォーレスもWabashに在籍していたそうです。余談ではありますが、現在日本人の卒業生が大学の名誉理事を務めています。
おわりに

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