海外の気候は日本とはもちろん違います。その上、慣れない環境におかれることでいつもより風邪をひきやすくなります。私は9月にロンドンに行ったのですが、とても寒くて風邪をひいてしまいました。日本でいつも飲んでいる風邪薬を持って行っていたので、これさえあれば大丈夫と思い薬を飲んで過ごしていました。
しばらくして困ったことになりました。私は日本の薬は優秀だし飲めばすぐ治るだろうと思い、2日分だけ余っていた使いかけの薬を持って行っていたのです。しかし薬を飲んでも治る気配がありません。むしろ日に日に風邪の症状が悪化していきました。イギリスの風邪は手強いです。日本の薬を飲み切ってしまい、困った私はどうすればよいのかスマホで調べまくりました。イギリスはいろいろいな種類の風邪薬があり、日本人が飲むときは容量の半分を目安に飲むといいとわかったので、とりあえず薬局に行くことにしました。
ロンドンにはそこら中に薬局があります。わざわざ調べなくても街を歩いていれば薬局を見つけることができます。海外で薬を買って飲むというのはとても不安がありましたが、薬剤師がそれを解消してくれました。イギリスの大手薬局のBootsというお店に行ったのですが、そこには相談カウンターがあって薬剤師がその人にあった薬を選んでくれるのです。
「どうしたの?」「いつから症状が出ているの?」「いつも飲んでる薬は?」といったことを訊かれるので、「風邪をひいた」「3日くらい前から」「私は日本人なのでいつもは日本の薬を飲んでいる」などと答えておけば大丈夫です。薬剤師は私に「Day Nurse Night Nurse」というイギリスの定番風邪薬を勧めてくれました。飲み方も詳しく説明してくれて、とても丁寧な対応でした。
「Day Nurse Night Nurse」は朝昼夕食後と寝る前の一日4回飲む薬でした。「Day Nurse」が毎食後に飲む風邪薬で眠くなる成分は少なめです。「Night Nurse」は眠くなる成分が入っていたり、薬の成分が強いので寝る前に飲むというものでした。これを3日間飲み続けると風邪が完璧に治りました。日本人には海外の薬は効きすぎるということで半分の量で飲んでいたのですが、それでもよく効いて驚きました。日本に買って帰りたいくらいでした。
ちなみに「Day Nurse」はこんな色をしています。すごい色だったので記念に写真を撮っておきました(笑)「Night Nurse」は濃い緑と白のカプセルです。日本の白い錠剤に慣れているとだいぶ怖いですよね。こんな色でもちゃんと薬局で買った定番薬なので大丈夫です。物価の高いイギリスですが、国民の健康に対しては気遣いがなされており薬も安く買うことができます。3日分の風邪薬は600円ほどでした。日本より安いです。
また、日本では風邪をひく前ひいた後にも一般的なマスクですが、イギリスの人は全くと言っていいほどマスクを着けません。人ごみの中でも平気で咳き込みます。喉の保湿のためと埃が入らないようにマスクを着けて列車に乗ったときは、周囲からすごく変な目で見られました。しばらくマスク登校は避けていましたが、耐えられなくなりマスクを着けて出歩くようになりました。自分の体調を優先するか、周りの視線を気にするか、とても難しい問題です。
原因不明の歯茎痛!
2つ目の体調不良は風邪よりもっと困ったものでした。前歯のうえの歯茎がズキズキ痛むのです。原因はわからないし顔はひきつるし、どうしたらよいのか分からず軽くパニック状態でした。泣きながら日本にいる親に電話をしましたが、「海外で歯医者に行くのは怖いし、どうしたいいのかわかんないね」と一緒に悩んでしまいました。解決法は見つからなかったのですが、困った時に家族や友人に日本語で思う存分甘えると落ち着くことができます。
気を取り直したところで、薬局に行き薬剤師に相談することにしました。痛む場所が場所なので説明が難しく、指をさしながらここが痛い!と伝えました。このときに薬剤師から勧められたのがイブプロフェンの錠剤です。イブプロフェンは日本にいた時も聞いたことがある薬だったので、安心して飲むことができました。
Ibuprofen
日本の薬と同じように箱に薬と説明書きが入っています。英語だからさっぱりわからないと思いがちですが、読んでみると案外理解できます。
Age:Adults and children of 12 years and over
How many:One or two caplets
How often:Every 4 hours,if you need to.Don't take more than 6 caplets in 24 hours.
といったような感じです。私は痛みがひどいときに一錠ずつ飲んでいましたが、ちゃんと効いて痛みが和らぎました。この薬は風邪薬よりも安く、400円くらいで買うことができました。
余談ですが、私は薬科大学に通っているポルトガル人の女の子とルームシェアをしてました。そのため、「歯茎が痛いから薬局に行ったらこの薬を勧められたよ。」と伝えると、「痛み止めのイブプロフェンだね。きっと効くよ。お大事に。」というようなことを言ってくれました。持つべきものは優しい友達です。