留学をしたいと思っている人や留学経験者のひとのなかには将来は国際機関で働きたいと思っている人、多いと思います。実際に国際公務員となって、国際機関で働くようになるにはどのようなパスウェイがあるのでしょうか。
国際公務員には2種類ある?
国際公務員には専門職と一般職の二種類があります。専門職はその名の通り、専門性をもって職務にあたり、一般職は事務などを行います。今回は専門職員として国際機関で働くことにフォーカスして紹介していきます。
国際機関で働くための3つのパスウェイ
国際機関でのポストを得るための主要なパスウェイは以下の3つです。
それぞれのパスウェイによって応募要項や応募条件は変わってきます。自分に合った方法で応募していきましょう。複数の方法で同時に応募することも可能です。
空席広告
空席広告は各国際機関から随時出される空席広告に応募してポストを掴む方法です。応募に関して、
年齢制限は特にありませんが、修士号以上の学位と専門分野での2年引上の職歴が必要になります。各国際機関が実施している採用方法なので、各国際機関と自ら直接やり取りをしていきます。
空席広告の
募集状況は
外務省 国際機関人事センターから2週間ごとに発信されています。
JPO派遣制度
JPO派遣制度とは、正式名称をJunior Professional Officer派遣制度といい、日本の外務省が実施している国際機関への派遣制度です。JPOに選ばれると、
2年間国際機関で働くことができます。この2年間の間に派遣された職員は現地で国際機関で勤務をしながら人脈を広げるなどして、現地でのポストをオファーされれば引き続き国際機関で働くことができます。
応募条件は35歳以下の日本人で、修士号以上の学位を取得していること、また関連する分野での2年以上の職歴があることです。JPO派遣制度の
募集は毎年4月から始まります。
YPP試験
YPPはYoung Professional Programの略称で、
YPP試験とは国連事務局が実施する若手職員を採用するための試験です。応募条件は日本国籍を持つ32歳以下で
学士号以上の学位を持っていることです。YPP試験は
職務経験がなくても応募することができます。YPP試験で応募する際に注意すべきなのは対象の募集職種が年によって異なるということです。今年募集していた職種が来年も募集されるとは限りません。
国際機関で働くためには
国際機関での就職を目指しているなら獲得するべきスキルや経験というものがあるならば、例えばそれはこんなことです。
やっぱり、まずは英語
国際機関で働くならまず英語はマストです。国連には国連公用語に指定されている言語が6つありますが、まずは英語です。
Be a specialist. 専門性が重要!
国際機関で専門職員として採用されるのに重要なのは、専門性です。国連だけではなく、海外では一般的に、日本のように幅広く様々な業務をこなす事が出来るジェネラリストよりも、特定の分野に突出して秀でているスペシャリストが必要とされています。そのため、海外では就職する際に自分の学位に関係している分野で就職することがほとんどです。
Be passionate. 熱意をもって!
国際機関に就職したいと思うなら、国際機関で働きたい!という熱意を持っていることが大切です。そして、持っているだけではなく、それを他の人が見える形で表すことも重要になってきます。自分の熱意がどうしたら、自分以外の人にも認められるのか。それは、それまでの経験によって判断されます。学生時代にNGOで人権問題についてのボランティアをしていた経験や青年海外協力隊として後進国で教育に携わった経験、国際機関でのインターンシップの経験などなど、専門性によって様々な経験をする可能性があると思います。これらの経験は実際的な活動として、自分の国際機関で働きたいという気持ちを示すものにもなります。
世界情勢に後れをとるな!
国際機関で働こうとするなら、世界情勢を理解しておくことは大切です。日本国内のニュースだけではなく、国際ニュースもチェックするようにしましょう。
おすすめ書籍
国際機関での職務経験がある人が書いた書籍は国際機関を目指す人には参考になるので、いくつか紹介します。
国際機関で見た「世界のエリート」の正体 ー赤阪清隆
世界で損ばかりしている日本人 -関本のりえ
職業は武装解除 ー瀬谷ルミ子
おわりに
国際機関という職場は様々な面で中立性というものが保たれています。日本は先進国のなかでもジェンダー差別が大きい国のため、日本ではイマイチ自分の技量が活かせないように感じている女性の方にも国際機関という職場は活躍しやすいと言われています。国際機関では実力主義でキャリアを獲得していくので、年齢も関係なく働くことができます。
国際機関で働くための専門性を身に付けるには、先だってのプランニングが重要です。実際に自分がどんなことに、どのような側面から携わりたいのかじっくり考えて準備していきましょう。夢は大きく、志は高く、頑張っていきましょうね!
参考
http://www.mofa-irc.go.jp/index.html
http://www.unic.or.jp/working_at_un/ypp/