前回、
前々回に引き続き、日本との違いで地味―にストレスが溜まることと、その対策について、今回は料理、そして製品の違いといった観点から考えてみようと思います。
料理・食事編
お箸がない

もちろんドイツにはお箸の文化がありません。ステーキ肉やソーセージなんかだったらナイフとフォークで食べればいいけれど、お米などを食べるときにも基本的にはナイフ・フォーク・スプーンしか用意がありません。
ドイツ料理レストランなどでは、ナイフやフォークで食べる方がふさわしい料理が出てくるとは思うので、それらを使って食べるのがマナーになるとは思いますが、学食のようなところであればマイ箸を用意しておくのは悪くないと思います。また、アジア料理のレストランであれば、最初に出てこなくてもお店の人に聞けば大体はお箸の用意があるので安心して下さい。
近年日本食がブームになっているとはいえお箸の使い方はまだまだ知らない人が多いようで、学食などでお箸を使っていると興味津々で見られます。お箸を使うことで異文化交流が出来るかもしれません。
辛いものがほとんどない

ドイツ人には馴染がないのか、辛いものはせいぜいマスタードくらいしかありません。それも風味を味わうためのもので、舌がひりひりするような辛さは全くありません。そんなわけで辛いもの好きな人にとってはちょっと物足りないかもしれません。
もし辛い物が好き、ということであれば、日本から一味唐辛子などを持って行く(ないしはアジアンマーケットで購入する)といいと思います。
少し脱線しますが、しばらく食べないと辛いものに対する耐性が少し低くなるようで、私の場合は、帰国後カレーの辛さの好みが辛口から中辛に変わった他、日本に留学に来ている韓国人の場合は、一時帰国中に実家で料理を作った際に家族から辛みが足りない、と指摘されたそうです。
製品の違い編
日本にないものが結構ある

箸や食べ物、浴衣など、文化の違いで当然存在しないものが多くありますが、日本では割と一般的と思われるような、三角コーナーや洗濯ネット、耳かきといったものもありません。必要な方は必携!また、マスクや日傘なども利用する概念がないので、使っていると怪しい人になってしまいますが、それでも飛行機の中などで使いたい場面があるという方は是非持って行きましょう。
使い方や見た目などが大きく異なるものが結構ある
前回も述べましたが、洗濯などはそもそもやり方が異なるので、製品の作りもまるっきり異なります。また、洗濯に関しては、乾燥機を使う場合が多い気がします。その他、ティッシュもかなり丈夫で折りたたんで何か所も使う、といった使い方をしていることが多いです。
クオリティが低いくせに値段が高いものがある

100均で売っていそうなこまごましたものは、日本と比べるとコストパフォーマンスがかなり悪いです。ばんそうこうは手を洗ったら途端にはがれる、ラップはなかなか切れない上筒にくっつく、ボールペンは全然でないし、ノートはすぐにじむ、といった具合。
荷物に余裕があって、こまごましたことでイライラしたくない、ということであれば、これらのものは持って行ったほうがいいかなあと思います。こういった小さいことに気を配れるのは、日本の誇るべきポイントかもしれません。
パソコン編
キーボードの配置が違う・変換キーがない
ドイツ語のキーボードの場合には
こちらのように“Y”と“Z”が逆になる、“@”が“ü(uウムラウト)”になる、など日本のキーボードに慣れているといつもと違う…!といらいらします。更に、記号の入力についても、私の場合は“矢印”と入力して“→”記号を出すようなやり方をしていたので、どうすればいいのかとほうにくれることも…。
1つの対策としては、パソコンの管理者に確認を取って日本語の入力モードを入れてしまうこと。ブラインドタッチに問題がなければ、通常通りに使えるはず。入れ方に関しては、Microsoftなどの公式ページなどを参考にしてください。
勝手に変更が出来なくなっているような場合や許可が下りない場合には、キーボードの配列には慣れなければなりませんが、
sumibi.orgといった専用のウェブサービスを使うことでとりあえず対応できるかと思います。私の場合は、
Google翻訳を使っていました。利用方法としては、
- 入力言語を日本語にする
- “konnichiha →こんにちは”の入力方法に設定する
といった感じでとっても簡単。入力時にひらがなで表記が出てくるので見やすくて個人的にはSumibiよりも好きです。
また、どうしても現地のキーボードでは耐えられない、という方はあらかじめ日本のキーボードを持って行きましょう。
Excelの記号・関数が違う
Excelの記号や関数なんて万国共通かと思いきや、記号が異なるし、関数もドイツ語。例えば、(日常生活でもそうですが)数字の小数点は、”.(ピリオド)”の代わりに”,(カンマ)”を使います。関数も、SUM関数はSUMMEくらいなら許容できますが、SQRTがWURZELなど、全然違う…といったこともしばしば。私は、
Excel 2007 functions English-Germanを参考にして利用していました。ヘビーユーザーでなければこんな対応でもいいかと思いますがガッツリ利用したい、ということであれば、管理者の許可を貰ってMicrosoft officeの言語設定を変更するか、自分のパソコンを割り切って使うかすることになるかと思います。
最後に

慣れ親しんだことと違うことをやらなければならない状況があまりに続くと、だんだん気が滅入ってくることもあります。文化の違いは、受け入れられるものもあるけれど、受け入れられないものもある程度出てくるはず。変えたくないことは変えずに抵抗するのも立派な手段だ、ということを忘れないでください。
<ドイツでの生活でイライラしたこととその対策>
- 生活リズム・習慣編・買い物・サービス編
- 家の中編
- 料理食事編・製品の違い編
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