【留学生の就活】2017卒採用スケジュールと留学生への影響は?

留学生の就職活動 昨年度から採用活動の時期がころころ変わり、何が何だかわからない状況が続いています。留学中だと情報が入ってこないこともあり、より一層不安ですよね。この記事では、2017卒の採用スケジュールの変更点と留学生への影響、16卒の就活事情について解説します。

ここが変わる!2017卒の採用スケジュール

現在の4年生(2016卒)の就活時期の変更が記憶に新しいですが、2017卒の採用スケジュールもまた、16卒と変わります。 昨年末の日経新聞の記事にも出ていました。
経団連は7日、2017年春に卒業予定の大学生の就職活動について、企業による面接などの解禁時期を来年6月1日とする指針を正式に決めた。経団連は今年、選考解禁を4月から8月へと変更したばかりで、2年連続の日程変更となる。会員企業1300社に新ルールの順守を呼びかけるが、実効性を疑問視する声も根強い。 出典:日本経済新聞2015年12月7日付速報
ずばり!何が変わって、何が変わらないのかというと、 変更 → 面接解禁日が6月1日になった 変更なし → 広報活動の開始は3月のまま(プレエントリー開始時期)です。 面接解禁が昨年度の8月1日から6月1日と、2ヶ月前倒しになるので、その間の自己分析や企業研究といった準備期間が短くなります。
出典:リクナビ2017「最新版2017年卒向け就活スケジュール!選考開始は6月」
出典:リクナビ2017「最新版2017年卒向け就活スケジュール!選考開始は6月」

留学生への影響は?

このスケジュール変更は、留学後すぐに就活を予定していた学生にとって大打撃です。特に欧米に通年留学の人は、帰国タイミングが面接解禁ともろ被りなんていう事態になってしまいます。以下、3年生で欧米に留学した場合を想定して、半期留学と長期留学で比較してみました。

9月留学、半期で帰国組

多くが1~2月に帰国するので、3月の採用活動開始に間に合います。しかし帰国~本選考までの期間がぐっと短くなるので、短期間で自己分析・企業研究などの準備が必要です。すでに就活を始めている友人たちから情報をシェアしてもらったり、就活を終えた4年生たちに話を聞いたりすることをおすすめします。

9月留学、通年組

スケジュール変更で一番影響を受けるのがこの集団です。欧米の場合、学年度末が6月の大学が多く、6月の1週目まで試験期間が設定されていることがあります。すると、2017卒の採用選考に参加しようと思っても、ちょうど面接解禁日に日本にいない!なんてもこともありえます。私の留学先では、Semester 2 終了日まで帰国禁止令が出ていたので、こうした決まりがある場合、試験期間が5月で終わっても帰国できないという事態も…。 留学生の事情をどれだけ企業側が配慮してくれるか疑問ですが、17卒のスケジュールを見る限り、6月の面接に間に合わないように思えます…。2017卒の選考に参加したい場合は、早い段階で企業に問い合わせて交渉してみましょう。

2016卒の就活に学ぶ

留学 16卒の採用の特徴。それは、エントリーシート(ES)の締め切りや面接開始時期に「企業差」があったことです。比較的、経団連のルール通りに動いた企業だと、ESの締め切りラッシュが5~6月、面接の集中期間は8月の1~2週目でした。一方、8月1日より前に1~2次面接を終え、8月1日には最終面接という企業も多くありました。 つまり、昨年の流れを2017卒にも当てはめると、6月1日面接解禁と言いつつも、実はその前の4~5月から選考を始め、実質的に6月1日は最終選考に近い状態にあることが予想されます。その場合、留学生は選考に参加できないので、受けられる企業が限られてしまうおそれもあります。

<2016卒の留学生はこう動いた!>

とりあえずプレエントリー

日本にいる就活生と同じように、日本時間3月1日になったらマイナビやリクナビ、企業の採用ページからプレエントリーをしましょう。早めにプレエントリーしないと、いつの間にか満員御礼で、企業がプレエントリー受付を終了し、その企業の選考に全く参加できなくなってしまいます。ちょっとでも興味がある企業があれば、とりあえずプレエントリーして、情報だけもらうというのがおすすめです。

留学先でOB/OG訪問

「留学先で…!?」という驚きがありそうですが、なかには本当に実行している人がいます。どうやら留学前にある程度OB/OG情報を集めておいて、留学先で海外赴任中の人に会うようです。自分が海外赴任に関心があれば、今まさに海外で働いている人のお話を聞けるのは貴重ですし、よりイメージを描きやすくなりますよね。
留学先で就職活動
海外ならではのお話が聞けるかも

ESは留学先から郵送

16卒はESラッシュが5~6月だったので、留学先からESを送る人もいました。企業が「国内からの郵便に限る」など注意書きしていない限り、海外から送られたESもちゃんと受理されます。心配なら、事前に企業とやり取りをして海外から送ることを伝え、届かなかった時のため文面のスキャンなどをしておきましょう。最近は、WebからESを提出できる企業も多いのですが、まだまだ手書き・郵送の形式をとる企業もあります。郵送する際は、配達日数の目安より遅れることがあるので、なるべく時間に余裕を持ってください。 ちなみにイギリスからならば、郵便局の国際郵便サービスにInternational Confirmed Deliveryという簡易書留のオプションがあるので、そちらを利用すると安心です。私が以前利用した時も、1週間程度で無事届きました。

選考を受ける企業は最小限に

6月帰国の場合、5月頃から1~2次面接を行っていた企業の選考には参加できなかったので、受ける企業を最小限にして、集中的に就活をしていました。持ち駒が少ないので、なかなかチャレンジングな就活ですが、その分、企業研究がしっかりできるので、意外と成功者が多いのもこのタイプです。

それでも17卒にこだわりたい!

「6月帰国だと、17卒の選考への参加は厳しい」と書きましたが、それでも17卒にこだわりたい!という人のために、2つ方法を紹介します。 留学生の就職活動

キャリアフォーラムに参加する

キャリアフォーラムは、事前にエントリー・面接の予約をすれば、期間中に選考を受けることができ、最短2~3日で内定までたどり着いてしまう(夢のような?狂気的な?)就活イベントです。すでにボストンキャリアフォーラム(通称:ボスキャリ)は終わっていますが、ロンドンキャリアフォーラムが2016年4月16日(土)・17日(日)に開かれます。ボスキャリに比べると、参加企業も少なく小規模ですが、参加学生数も減るので、何か収穫があるかもしれません。 また、東京サマーキャリアフォーラムも毎年6月末付近に開催されています。まだ今年の詳細は決まっていないようですが、昨年の様子がこちらからご覧になれます。さらに、マイナビ国際派就職EXPOという留学生向けの合同説明会&選考会もあります。こちらも今年の日程は未定ですが、昨年は7月の1週目に開催されています。

秋採用に参加する

求人数が少ないのが難点ですが、日本での秋採用ならば17卒の留学生も確実に選考に参加できます。また、内定辞退で人員不足になった企業が再募集をかけることもあるので、気になる企業の情報はこまめにチェックしましょう。

おわりに

はじめから無理だとあきらめず、交渉することも大切です
はじめから無理だとあきらめず、交渉することも大切です
いかがでしたか? 17卒の採用スケジュール変更は、留学後に就活を予定していた現3年生・4年生に大打撃ですよね。16卒とも採用時期が違い、前例のなさに戸惑うことがあるかもしれません。しかし、企業側もこの事態に混乱し、選考時期をどうするか悩んでいるところでしょう。何か困ったことがあれば、ダメ元でも企業側に連絡をして、「交渉」してみることが大切です。多くの留学生から問い合わせがあれば、企業側もきっと対策を考えるはずなので。 Maiさんの記事では、卒業時期と留学の関係などについて書かれています。そちらも合わせて参考にしてください。 次回以降も、留学生の就活事情についてお届けしていきます!

参考サイト

日本経済新聞:『経団連「16年は6月1日面接解禁」就活新指針を決定』(2015年12月7日付速報記事) CareerForum.Net
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