留学を最大限に活用した英語学習法

留学を最大限に活用した英語学習法

「どうしたら英語を話せるようになるの?」こんな質問は留学を経験するととても沢山投げかけられます。また留学したら英語が話せて当然とも思われます。これはとんだ誤解です!

私も留学前は1-2年海外に住んだらネイティブ並にペラペラになると信じていました。そんな夢はすぐに打ち砕かれました(笑)

私のように大人になって本当に語学を習得しようと思ったら、例え留学しようと努力なしではとても無理だと身をもって知りました。

実際、留学時代に5年も10年もカナダにいても片言の英語しか話せないアジア人を沢山見ました。本当に英語が話せるようになりたいと思ったらそれなりに努力が必要です。ただ努力の方法を間違えないことは大事です。私の経験と勉強法がこれから留学する方や英語の勉強をする方の役に立てばと思い、少しだけ紹介させて頂きます。

最初にお伝えしますが私の中高の英語の成績はひどいものでした。英語なんて大嫌いでした。そんな私でも20歳を過ぎてから英語に目覚め、10年後には外資系企業で日々英語を使いながら仕事が出来るまでになりました。研修で海外に行く機会もありますし、世界中にいる同僚や上司と仕事が出来る事にとてもやり甲斐を感じています。

英語は話せるようになりたいと思う気持ちさえあればいつから始めても遅くない、誰でも習得できるものだと信じています。一番必要なのは楽しむ事。話せる言語が1つ増えるごとに広がる世界は本当に素晴らしいものです。

高いTOEICのスコア等は必ず後からついて来るものなので、勉強が退屈でつまらなくなるものを目の前の目標にせず、なりたい自分や英語を話せるようになったらしてみたい事を想像してみてください。

世界中に友達が欲しい、海外で働いてみたい、映画を字幕なしで見たい、海外旅行で現地の人と話がしたい、好きな小説を原語で読みたい、どんな事でもいいと思います。そして挫折しそうな時はこれを思い出してください。

私は留学&就労で約5年弱、カナダで生活をしました。最初の1年間はとにかく英語に苦労しました。

日本で英文法は割としっかり勉強していったものの外国人と会話する機会は殆どなかった為、ESLのクラスでは文法やリーディングはなかなか好成績なのに対し、リスニング&スピーキングは全くダメ。ゆっくり話してくれるホストファミリーの会話もほぼ理解できませんでした。インプット&アウトプットのバランスが非常に悪い状態の良い例です。また見るもの聞くもの全てが英語の生活は非常にストレスで頭痛すら感じました。

この状態から大体8ヶ月位で英語を英語のまま考えて話せるという状態までになりました。

1. 基本的な文法はなるべく留学前に押さえておく。

日本で文法を仕上げていった私の勉強法は無駄だったのかというと、決してそんなことはありません。文法は正直一番海外で学ぶ必要のない部分だと思います。実際文法を学んでいったおかげでESLの期間は短縮出来ました。

英語を話せない人の中に「文法なんて必要ない」と言う人が本当に沢山います。私はこれは半分本当で半分嘘だと思います。どの程度の英語力を求めていて、どんな時に使いたいかによります。

例えば"ガイド付きの海外旅行中の買い物やレストランで使うだけだから、とにかく意味さえ通じたら良い"のであれば、定型文を暗記したら良いかもしれません。単語を並べるだけでも良いかもしれません。ですがある程度の文法を学ばなければ、いつまでも稚拙な英語からは抜け出せませんし、表現の幅はずっと広がらないままです。自分で文が組み立てられなければ簡単な質問と答え以上に会話を広げることも難しいでしょう。

もし仕事で使える英語を身につけたいと思っているのであれば、単語を並べただけの英語ではとても通用しません。文法も時制もぐちゃぐちゃな英語は時にビジネスにおいて大きな誤解を生んでしまう場合があります。言語はコミュニケーションツールなので、もちろん完璧な文法、完璧な発音で話す必要は決してありません。ですが大事な情報が正確に伝わらなければそれはミスコミュニケーションとなります。

英語を話せるようになりたかったら、最低限中学レベルの文法を理解する事は手を抜かない事です!私のオススメは日本語で書かれた文法書ではなく、海外で出版された全て英語で書かれたGrammar bookを簡単なレベルから始める事です。

大きな書店やネットで購入可能です。英語の文法はシンプルで全然難しいものではないのに、日本人が英文法に拒否反応を示すのは、日本の教科書では文法が複雑に難しく説明されているからだと思います。

これから留学を考えている方、出発までに文法はある程度頭に入れておく事をお勧めします。

留学前の語学対策

2.英語を英語のまま理解する”英語脳”に切り替える

留学後、インプットのみで頭でっかちになっていた私が最初にやったのは、とにかく”英語脳”に切り替える事。

最初の1年間はネットで日本のドラマや動画を見る事をやめました。日本語の歌よりも洋楽を聴くようにしました。手帳に書き込む予定も英語で書きました。毎晩英語で日記を書きました。毎朝学校に行く前に英語が比較的優しい子供向けアニメを見て耳を英語にならしました。ホストファミリーとの会話の時間を大事にしました。

このようにして日本の家族や友人と話す時以外はとにかく出来るだけ日本語をシャットアウトしました。この状況が作りやすいのが留学をする一番のメリットだと思います。

英語を英語で考える事に意外ととても役に立ったのが、英語でのチャットです。

当時は殆どの留学生は携帯を持っていなかった為、学校外でのクラスメイトとのコミュニケーションツールはFacebookやSkypeでのチャットでした。友人とのチャットは会話なのでとにかくスピード重視。スペルや文法をいちいち調べず、間違いを気にせず知っている単語を使ってどんどん打ち込みます。同じクラスの留学生なのでお互いの英語レベルや使う単語の難易度が変わらないのも良かったのかもしれません。仲良しのクラスメイトと毎晩のようにチャットをするうちに、いつのまにか彼らの英語を英語のまま理解し、英語で考えて返事が打てるようになっている事に気が付きました。

英語脳とか英語を英語で理解するとか言われてもしっくりこないと思いますが、「あ!これだ!」と体感する瞬間が突然来ます。そしてそれが出来るようになったこっちのものです!

いつの間にか夢も英語で見るようにもなります。夢の中で自分の母親と話している時は日本語、外国人と話している時は英語ときちんと切り替わっているので面白いです。

英語の上達が遅い留学生は母国語を読む、聞く、話す時間が圧倒的に多かったです。同じ国の留学生同士だけで固まったり、家に引きこもって母国語の動画ばかり見たり。日本でも出来る生活をわざわざ海外に留学してまでするのは時間のお金の無駄だと私は思います。

3.間違いを恐れずにどんどんアウトプットする

英語脳に切り替えるためにはとにかく英語を沢山聞いて沢山話す事です。

日本人は完璧主義で失敗を恐れる人が多いと思います。私もその一人です。

でも海外に来たらそれを捨てて、少し図々しくなる事も必要です。旅の恥はかき捨てです。

英語は失敗を恐れずどんどん口に出してみる事が上達への近道です。自分で勇気を出して話した英語はずっと忘れないものです。覚えた単語も会話の中で使ってみると記憶に定着しますが、単語帳を見て覚えただけだとそのうち忘れてしまいます。日本では英語を話したくても話し相手を見つけるのは簡単ではないですよね。せっかく海外に行ったのだから、とにかく思いきってどんどん話しかけまくる事です。この時は文法に神経質になる必要はありません。

まだ留学したばかりでリスニング力がままならない頃、街で知らないカナダ人に道を聞いて、とりあえず自分が聞きとれたところまで進み、またそこで誰かを捕まえてその先の行き方を聞いて・・・を繰り返し、徒歩30分の目的地までたどり着いた事があります。私が道を聞いたカナダ人の方は片言の下手くそな英語を話す日本人の事なんて覚えていないでしょう。でもこの経験は当時の私にとっては大きな自信になりましたし、10年たった今でも忘れられない思い出です。

言いたい事があるのに分からない英単語があって、言うのを諦めてしまった事はないでしょうか?

時間があれば辞書を使うのも一つの方法ですが、辞書がない時や会話の途中でしたら自分が知っているボキャブラリーを駆使して伝えるというのも大切です。例えば「にんじん」という英単語が分からないのであれば「オレンジ色の長い野菜」と言えば伝わりますよね。少し頭を柔らかくしてみると、伝え方は一通りではない事にも気が付きます。

私の経験ですが、カナダ人の同僚に「カルガリーに旅行に行ったの」と言った時、私のカルガリーの発音が悪くて伝わらなかった事がありました。仕事中だったのでスペルを書く事も出来ず「カナダのアルバータ州にある一番大きな街」と言ったらなんと今度はアルバータの発音が伝わらない。結局彼女にカルガリーを伝えるのに3分程要しましたが、この時2人で大爆笑し、以来とても仲良しになりました。この時私のカルガリーの発音が完璧だったらあんなに話が盛り上がらなかったかもしれません。間違いがきっかけになる事もあります。

カフェやレストランで頑張ってオーダーしてみて下さい。お店で欲しい商品が見つからなければ店員さんに聞いてみて下さい。道が分からなければ話しかけてみてください。

言い方が分からないから言わない、伝わらないから諦めるのではなく、とにかく言ってみる勇気と伝わるまで諦めない図々しさを忘れないで下さい。下手でも自分の今のレベルの精一杯で話せば良いのです。伝わらなくてもどかしいと思う気持ちがまた英語を学ぶ原動力になります。

せっかくの恵まれた環境を最大限に利用出来れば、短期の留学でも驚くほど英語が上達する人もいます。英語脳へ切り替えられれば後はインプットとアウトプットを繰り返すのみです。学び続けるモチベーションさえ保つ事が出来れば、日本に帰国しても引き続き英語はいくらでも伸ばしていけます。

私自身今もなお自分の英語に自信なんてありません。分からない単語は山ほどありますし、まだまだ勉強が必要だと思う毎日です。ですがあの時挫折せずに英語を身に付ける事を諦めなかった事が今の自分に繋がっているのは確かです。私に出来たのですからあなたにも絶対に出来ます!一緒に頑張りましょう。

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