実は留学生に向いている?リベラルアーツカレッジの魅力
アメリカの大学と聞くと大きい総合大学を想像するかもしれませんが、実は総合大学の他にもリベラルアーツカレッジと呼ばれる中小規模の大学があることもご存知ですか?
そのリベラルアーツが実は留学生にはとても適している環境なのです。
今回はそんなリベラルアーツカレッジについてご紹介していきます。
リベラルアーツカレッジとは
リベラルアーツカレッジとは一般教養課程に焦点をおいた大学で、ほとんどは私立の小規模の大学です。
基本的には、田舎や大都市圏でも郊外にあることが多く、勉強にとても集中できる環境が整えられていますが、その分都市部に行くのは少し時間がかかります。
私が通っていた大学もアメリカ中西部ウィスコンシン州のド田舎にある4学年全て合わせて約1,200人ほどしかいないとても小さな大学でした。
■総合大学との違い
前文にも書いた通り、ハーバード大学(学部生徒数6,700人)やUCバークレー校(学部生徒数30,000人)などのような総合大学に比べて圧倒的に生徒数が少ないです。
また、総合大学には研究に力を入れてるため大学院などが併設されていることが多いですが、生徒の教育に熱心なリベラルアーツカレッジには基本的に大学のみで大学院はありません。
私も実際総合大学に、学校のプログラムを利用して一学期間だけ通っていたのですが、100名以上の生徒が履修するレクチャーでは教授と会話することがほとんどありませんし、少人数制のクラスでも大学院生が教授の代わりとなって教えているなど、少人数で教授が親身になって教えてくれるリベラルアーツとは大きな違いがありました。
留学生に適している大学環境
生徒数が少ない分、リベラルアーツカレッジでのクラスはあとでもご紹介しますが、教授との距離が近いため、英語が第一言語ではない留学生にとってはその手厚いサポートが大きな助けになります。
また、留学生の受け入れにも力を入れているリベラルアーツカレッジでは留学生自体のコミュニティもたくさんあり、友達作りにも適している環境となっています。
■全てのクラスが少人数制
どの授業も基本的には20人以下の少人数制のクラスになっています。
そのため、教授も生徒一人一人の意見に耳を傾けてくれますし、自分も積極的に発言する機会を与えられます。
教授によっては授業一回につき最低一回は発言しないといけないという教授もいますし、日本の学校で発言することがあまり求められない上、英語が母語ではない日本人留学生にとっては初めは発言するだけでもかなり緊張するかと思います。
ただ、やはり繰り返すことで慣れてきますし、いつ発言を求められても答えられるように常に考えるという力が身についてきます。リベラルアーツが重きを置いている「論理的思考・批判的思考」というスキルはこういったところから生まれてくるのだと思います。
その上、教授との距離が近いため授業の内容がわからない場合は丁寧に親身に教えてくれるのでやる気さえあれば、心配無用です!
ディベートやプレゼンが多い
少人数制のクラスゆえ、どのクラスでも1学期に最低1回はディベートやプレゼンがあります。
プレゼンはまだ原稿であったり話すことを事前に考えられるのでまだ良いですが、どんな反対意見が出てくるか予想できないディベートに至ってはなかなか大変なものでした。
ただ、一人一人がしっかりとクラスの前で話すことでプレゼン力であったり「パブリックスピーキング」と英語では言われる、「公の場所で話す力」 というものがものすごくつきます。
また、プレゼンの見せ方までも教授や他のクラスメイトからしっかりとしたフィードバックをもらえるので、数をこなせばこなすほどスキルアップしていきます。
総合大学に通っていた時は、教授に自分の名前さえも覚えてもらえないことなんでザラでしたし、ほとんどの授業が期末テストだけで決まる、なんてことも当たり前で、プレゼンやディベートする機会は少なかったです。
アットホームで留学生も多い大学のコミュニティ
リベラルアーツのもう一つの特徴は留学生が多いことです。
各大学によって違いますが、世界中から色々な学生が集まってきます。日本・韓国・中国のような東アジアだけでなく、東南アジア、南米、アフリカ諸国などなど生徒のバックグランドは様々です。
バックグラウンドが違うからこそ、それぞれの個性が尊重されますし、自分のように海外に留学してきて大変な環境でともに切磋琢磨しあうことのできる仲間がたくさんできます。
各大学には留学生向けのクラブなどもあるので、そういったクラブに積極的に参加することで色々な国の留学生と友達になることができ、自分の視野が本当にもっと広がります。
文頭でも書いた通り、少人数の大学であるリベラルアーツカレッジ。
生徒もほとんど寮生活で四六時中ずっとキャンパスで生活していると基本的にほとんどの生徒の顔は覚えますし、コミュニティ全体が一つの家族のような雰囲気になります。
だからこそ、関係性がとても密になって卒業してからもずっと続く人間関係を築くこともできます。
また、卒業生との関係も厚く、彼らが卒業後の進路に関してのアドバイスをくれたり、彼らとのネットワーキングイベントなんかも開かれます。異国の地で友達ができるか不安になりがちな留学生にとってはとても適している環境だと思います。
最後に:自分に適した大学タイプを選ぶ
ここまで留学生に向いているリベラルアーツカレッジについて紹介してきましたが、もちろん総合大学のように生徒数の多い大規模な大学にも様々な利点があります。
例えば、ネットワークの広さや施設のクオリティの高さなどなど。
自分が何を大学を求めるかを考えて、自分の適した大学選びをしましょう!