オンラインと紙の教科書、留学中はどちらを選択すべき?

大学での交換留学、そして大学院の留学時に多くの学生を悩ませるのが、現地での教科書についてです。一般的には3000円から5000円、また大学院等で使う専門書となると一冊10000円を超えるものも少なくありません。

大学の授業で教科書を使うことは万国共通ですが、最近はオンラインでも教科書を販売していることが多いです。Kindle などで読める電子書籍の量も増えてきており、近年こうしたオンライン化の動きが目立ってきています。

しかし一回読んで終わりなことが多い一般的な書籍と違い、教科書は学期中や卒業後の研究でも使われることがほとんどなので、大きくて読みやすい紙媒体を好む人がいるのも事実です。セメスター毎に数万円ほど使う大きな買い物になるので、勉強のためにどちらの媒体を使うのがいいかしっかりと検討してから購入する方が良いでしょう。

そこで今回は、オンラインと紙媒体の教科書、どちらの方が留学中の勉強に向いているのか比較してみました!

留学中の教科書

1. 教科書の選び方の現状

ほぼ全ての教科書が紙・オンラインのどちらでも購入可能

最初に説明した通り、現代では大学で求められているほぼ全ての教科書が紙媒体、そしてオンラインのどちらでも購入することができます。オンライン媒体で有名なものとしては Amazon 内からも直接購入可能な Kindle や Adobe Reader を使って読むことができる書籍などがあります。

また言語教育・学習の書籍を専門として扱っている Multilingual Matters は、書籍の PDF バージョンの販売も扱っており、一言にオンラインといっても様々な種類があります。

英語で出版されている教科書が日本語での教科書に比べ多く電子書籍化されている理由の一つは、英語での書籍は世界中から需要が求められているという点です。よって電子書籍化することで海外発送等をする必要をなくし、出版社や購入者にとっても便利に売買が行えて便利というわけです。

そんな理由から、日本にいる時よりも多くの教科書・参考書がオンライン上で買うことができると思います。今まで紙の教科書を使っていた人も、これを機に一度電子書籍を試してみるというのも良いかもしれません。

値段は出版社によって様々

以前は電子書籍の方が紙や印刷、そして配達にかかるコストがないという点で紙媒体に比べて圧倒的に安いことがほとんどでしたが、最近では必ずしもそうではありません。出版社の一部はオンライン媒体が読者にもたらすメリットのことも考え、両者を全く同じ値段、またある出版社では電子書籍の方を高く取り扱っている場合もあります。

よって購入する際は必ずしも電子書籍の方が安いわけでないということをよく理解し、実際に自分で比較してから購入を決めることをお勧めします。

この点 Amazon では基本的に紙媒体・電子媒体の値段が一緒に書かれているので非常に便利だと思います。

留学中の教科書

2. オンライン媒体のメリット・デメリット

複数のデバイスで共有可能

電子書籍の最大の利点は、自身が持っている複数のデバイスで共有することができ、スマートフォン等からも気軽に閲覧することができるという点です。それと同時に全てデータとして保管されているので、本そのものを持ち運ぶ必要はありません。

学期末のエッセイや卒業論文を執筆中は十数冊もの本を同時に分析・使用しなければならないので、留学生にとってこの点は非常に便利だと言えるでしょう。

オンライン上にあるデータは常に共有されているので、インターネットさえ繋げればたとえ友達や大学のパソコンからもアクセスすることが可能です。この時にハイライトした部分やちょっとメモなども同時に共有されるので、文字通りいつでもどこでもアイデアを残しておくことができます!

特に留学生にとっては、留学後に日本に持って帰る手間がないというのも非常に大きな利点になります。

海外の教科書は大きく重たい上に、留学中に学んだことをそのまま日本での卒業論文に書くケースも多いので、全てがオンラインで保管されているということは持ち運ぶ手間に加えて、輸送費等を抑えることにも繋がります!

知りたい情報をすぐに検索できる

電子書籍のもう一つ大きな利点は、知りたい・思い出したい情報を検索機能を使いすぐに集めることができるという点です。電子書籍で読む際には基本的に検索機能を使うことができ、キーワードやページ数などを入力すれば即座のその情報を見つけてくれます。

本を読んでいるときは常に全ての内容を、どこにあるのか覚えているわけではないのでこの機能は非常に役に立つでしょう。この機能が特に効果を発揮するのが、論文執筆の際です。学術の世界では「誰」が「どの」研究をしたかが非常に重要です。そんな時に検索エンジンで著名人や専門分野で重要な人物の名前を検索することで、自分にとって有益な研究の引用等をすぐさま調べることができます。

また異なる色でハイライトした情報を色ごとに検索し、それらだけを表示する機能等が備わっている場合もあります。

実際僕が専門書を電子書籍で読んでいる際は、自分のただ気に入った点は赤、内容がよく理解できずまた読む必要があるところを青、自分の課題に使えそうだと思った場合は緑、という風に色を使い分けていました。

そうすることでただ情報を取り入れるだけではなく、その後の情報収集や執筆の際にも簡単に本を利用することができるのです。

もっとも読みやすい状態で読める

最後のメリットとして、書籍のフォントやサイズ、色を調節できるという点も挙げられます。もっとも読みやすい状態というのは人によって様々なので、ここを調整できるというのは効率よく読むために非常な便利な点ではないでしょうか。

僕は日本語を読む際は漢字が助けてくれるため文字がかなり小さくても読めるのですが、英語の場合はそうはいかないので少し大きめに設定して読むようにしています。

また背景の色を変えることで違った雰囲気で読書することもできます。背景が黒で文字が白という、活字ではほぼあり得ないような読み方もでき、いつでも新鮮な気分を味わえるかもしれません。

オンライン教科書

電子書籍のデメリットは?

デメリットとして挙げられる点は、インターネットがないと何も見ることができないという点でしょうか。もちろんあらかじめダウンロードしておくことができますが、全ての書籍をダウンロードすると相当な量になってしまうので、いくつかの本に限られてしまうと思います。

よって例えば自宅で急なインターネットの故障等があると被害は大きいかもしれません。

3. 紙媒体のメリット・デメリット

すぐに読める・書き込める手軽さ

もちろん人にもよると思いますが、紙媒体の一番のメリットは手軽に読んだり書き込んだりできるという点です。

僕は何か読みたい!と思った際にはすぐ手にとって読める状態が好きなので、普段自宅で課題に取り組むことが多いです。そんな時にいちいちパソコンを開いてアプリやサイトにログインし、読みたい書籍を選択してさらにインターネットの接続を待つのは少し手間に感じてしまいます。

なので自分の研究で必須な本や何回も読むことが求められる本は必ず紙媒体を買うようにしています!

電子書籍でももちろんメモやコメントを残すことが可能ですが、あまり綺麗にまとめってないちょっとした情報をわざわざ「タイピング」するのには僕は少し抵抗があります。

本を読んでいて出てくる些細な意見や一言には、ペンでさっと擲り書きするのが一番ではないでしょうか。実際自分が持っている活字本と電子書籍を比べてみても、活字の本の方がより多くのメモが書かれています!

そして打ち込むよりも実際に手を使って書いてみる方が記憶にも残りやすいので、極めて重要だと思う場合には電子書籍を使っている時も別のノートにペンでかく、なんてこともよくあります。

貸し借りもできるし、不要になったら売れる

電子書籍の一番のデメリットにもなるのが、オンラインで購入したものは貸し借りすることはできないということです。授業でメインで使う教科書であればもちろん各自が購入することが望ましいですが、グループ・プロジェクトやその時限りで必要な参考書であれば、何人かで買って貸し借りすることもあるかと思います。

他人のアカウントを使って電子書籍を共有して読む、というのは基本的に禁じられていますし、そもそも他人とオンラインアカウントの貸し借りをするのはトラブルを減らすためにも絶対やめた方が良いです。

次に、紙媒体は不要になったら売る・中古品を買うということも可能です。大学などでは必修の授業の本を次の学年の学生に売ったり、先輩から直接・もしくは古本屋から安く買うこともできます!

またイギリスの多くの本屋では、古本を買い取ってディスカウント価格で売るということもしており、非常に綺麗な状態の教科書を安い価格で手に入れることもできます!こうした必修授業の教科書の売り買いは Facebook 等で行われることも多いので、是非チェックするようにしてみてください!

本の教科書

紙媒体のデメリットは?

電子書籍のメリットとしてあげたことがほとんどですが、紙媒体を選ぶことのデメリットとしては持ち運びが大変・探している情報を見つけるのが難しい等があげられます。

特に学術本のハンドブック等になると1000ページを超える本も多くあり、持ち運ぶことはおろか読むことでさえ大変に感じることもあります。これだと学業の妨げになってしまう場合もあるので、紙媒体を選ぶときは少なくともその本を読む際に苦労しないかという点には気をつけてください。

まとめに

今回は留学中に教科書や参考書を選ぶ上で活字本と電子書籍のメリット・デメリットについてお話ししました。

結果的にどちらの方が絶対に良いというわけではなく、その本を読む・買う目的によってどちらの方が正しいのか、よく考えて選択してみてください!

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