
はじめまして。イギリス留学経験者のまーです。記念すべき初投稿は、イギリス留学を目指すひと必見のIELTSの試験概要について解説していきます。
※以下の情報は、2015年9月1日現在のものです。
IELTSとは?
IELTSは、「
アイエルツ」と読みます。
International English Language Testing Systemの略で、簡単に言うとイギリス版のTOEFLにあたります。TOEFLはアメリカの団体が運営していて、アメリカをはじめ欧米留学の語学力証明として有名ですね。IELTSはTOEFL同様にリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの能力を測り、Overall(全体)と各能力のスコアを
1.0(非ユーザーレベル)~9.0(エキスパートユーザーレベル)の数値で判定します。
イギリス留学志望者の多くは、IELTSを受験します。
なぜかというとIELTSは、ブリティッシュ・カウンシルやケンブリッジ大学が共同運営・開発をしている公的な英語力検定試験であり(日本では、日本英語検定協会が運営や広報を担当)、イギリス式のアカデミック・イングリッシュが使われているからです。早めにイギリス英語に慣れておきたい人には、IELTSがおすすめです。
IELTSかTOEFL。出願先の条件で決める!
IELTSか、TOEFLか。留学志望者の多くが、一度は悩むことかもしれません。
基本的には、
どちらでも大丈夫ですが、イギリスに留学するならIELTSは必須です。というのも、
2014年4月からイギリスのビザ申請にTOEFLとTOEICが使えなくなってしまったのです!しかし、全く使えないのかと言えば、まだ可能性があるようで。TOEFLを運営するETSによると、TOEFL iBTならば、出願先の大学の要件によっては使用可能とのことです。
イギリスで、留学生を受け入れている大学の多くは、TOEFLとIELTSの両方を英語力証明として認定しています。例えば、私が留学していたマンチェスター大学の場合、IELTSやTOEFL, Pearson Test of English, Cambridge Certificateが語学力証明の認定対象になっています。なので、TOEFLのスコアしか持っていない人もご安心を!
気になるスコアについて、マンチェスター大学はすべての留学生に対して
IELTSであれば、Overall 6.0, かつ各能力(リスニング(L)、リーディング(R)、ライティング(W)、スピーキング(S))のスコアが5.5以上であることが応募条件になっています。
さらに要注意なのが、志望コースの履修資格です。各学科やコースによって微妙に違います。
(参考)私が受講していたマンチェスター大学の社会学コースの履修条件

実は、若干スコアが足りていませんでしたが、
イギリスは「交渉の文化」。ごねたら、何とかなりました(笑)
また、イギリスの学生ビザ(通称Tier 4 Visa)を取るための最低条件は以下のとおりです。
IELTS: Overall 5.5以上, 各能力5.5以上
TOEFL iBT:L 17, R 18, S 20, W 17以上
まずは、ビザ申請基準をクリアできるように、どの能力もまんべんなく対策していきたいですね。気になる語学力証明とそのスコアについては、出願先のホームページをよく確認しましょう!
IELTS試験の特徴
TOEFLもIELTSもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの能力を測りますが、
IELTS最大の特徴は、すべて「人」が採点することです。TOEFLが対パソコンの試験方式であるのに対し、IELTSはライティングが手書き、スピーキングがネイティブとの面談など、アナログさ満点の試験方式を採っています。
友人の話ですが、TOEFLは同じ会場内でも個人によって進度の差があると聞きました。つまり、自分がリーディングを解いている時に他の人のスピーキングテストが聞こえてくる、こんな状況になるらしいです。IELTSでは全員一斉に同じ時間に受けるので、そういった問題はありません^^
次に、さくっと各セクションの説明です。
① リスニング(30分、大問4つ、全40問)
難易度は高めです。特に、TOEICのような選択式の解答方法に慣れている人の場合、
実際に数字や人名を書き取って解答するIELTSのリスニングは、最初のハードルが高いかもしれません。数字やスペルの読み上げ方を事前によく復習しましょう!
② リーディング(60分、大問3つ、全40問)
特徴は、正誤問題がYESかNOに加え、NG(Not given)という選択肢があることです。このNGが曲者で、
NGは本文に書かれていないことが該当します。本文に近いことを言っておきながらも、明確には書かれていないことをそれっぽく選択肢として入れてくる。なかなかいじわるな試験です(-_-;)
同様に「どの段落に、何が書かれていたか」を問う問題も多く、文章の精読がとても大切です。日ごろから英語の文章を読み慣れ、早く正確に読めるように訓練しましょう。
③ ライティング(60分、全2問)
ライティングはタスクと呼ばれる大問が2つあります。タスク1は、最低150字でグラフや図の説明をします。例えばグラフならば、増減に関わる単語のincreaseやdecreaseなどを何パターンか覚えることで使いまわしが利きます。タスク2は、最低250字でトピックに関して自分の意見を論理的に書きます。トピックは、「子どもは保育園に預けるべきか」など意見がYES/NOに分かれるものが基本です。
自分の経験や知識をもとに書くことで説得力が増すので、「自分らしさ」を出す工夫も忘れずに!
④ スピーキング(11~14分程度、1対1、大きく分けて3つの質問)
ざっくりと以下の流れで進みます。
- 自己紹介
- カードの指示をもとに、プレゼンテーション
- カードのテーマに沿った質問と意見主張
はじめの自己紹介では、自分の専攻や家族構成などについて聞かれることが多いです。その後、カードが渡され、その内容に沿って簡単に話すよう指示されます。準備時間は1分、紙とペンが用意され、内容を整理してから話せます。最後は、カードのテーマから派生したことについて自分の意見を問われます。例えば、「今まで行った中で一番思い出に残っているレストラン」がカードのテーマだったとすると、「なぜ人は、特別な日には外食に行くのか」などと質問されます。
「自分の頭で考え、英語で表現できるか」、ここがスピーキングのポイントです。
問題集について
私が使っていた問題集がこちらです。


左: Cambridge IELTS 8 Official Examination Papers (Cambridge University Pressから2011年に出版、
AmazonだとCD付きで約7,000円前後)
右:IELTS Practice Tests Plus 2 (Pearson Education Limitedから2011年に第8刷、初版は2005年、
Amazonだと約4,000円前後 )
いずれも2011年にイギリスに渡航した際、購入しました。公式問題集は日本でも売られていて、最新版の
IELTS 10が出ているようなので、そちらを購入されるといいかと思います。攻略本などもありますが、私は問題を解きまくって身につけるタイプだったのでベーシックに過去問ばかり解いていました。自分に合う一冊が見つかりますように!
まとめ
- 出願先の受け入れ条件は要確認!
- IELTSはイギリスのアカデミック英語が学べておすすめ
- IELTSのライティングは手書き、スピーキングはネイティブと1対1
- リスニングやリーディングは、正確さと慣れ
- ライティングやスピーキングは、論理性やわかりやすさが重要
いかがでしたか?
TOEICに比べると、少し敷居が高い気がするかもしれません。
勉強するにつれて慣れていくものなので、はじめは気負わず挑戦してみましょう!
参考サイト
IELTS公式サイト
マンチェスター大学公式サイト:コース別英語能力条件
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