社会人でカナダ留学!留学の魅力とは?
私は24歳から29歳までの約五年間をカナダ、ブリティッシュコロンビア州にある、クランブルックという小さな田舎町で過ごしました。クランブルックはバンクーバーから飛行機で約1時間半、壮大なロッキー山脈がとても美しく見える大自然に囲まれた街です。
社会人2年目で留学を決意!
私が留学を決意したのは22歳、社会人2年目の時でした。
田舎で生まれ育ち、憧れの東京で大好きな音楽の仕事をすることが夢だった私にとって、海外は旅行で行く所であり生活をするなんて考えた事すらありませんでした。そんな私の人生を大きく変えることになったきっかけは、一人の恩師との出会いでした。
高校卒業後、上京して音楽系の専門学校で音楽漬けの毎日を過していた頃、ラクそうという理由だけで取った選択授業の英会話クラスが予想を遥かに超えて面白く、いつの間にか毎週の授業がだんだん待ち遠しく感じるようになり、気付いたら音楽よりもすっかり英語に夢中になっていました。
苦手だった中学高校の英語の授業とは全く違う、コミュニケーションの手段として言語を学ぶ楽しさをその時初めて知りました。
卒業後は音楽の仕事に就きましたが、『いつか英語を使った仕事がしたい』という漠然とした思いが消えず、働きながら英語の学校に通い続けました。そんな私を見て姉が「英語を身に付けたいなら、週1回学校に通うよりも1-2年海外に行っちゃった方が早いのでは?」と言った一言が、私が留学を考えるきっかけとなりました。
若さ故か決断をする迄はあっという間でしたが、東京で働きながら一人暮らしをし、その上語学学校の高い月謝も払っていた為、当時の私の貯金はほほゼロでした。
社会人で留学するからには短大か専門学校に行って英語プラスαの知識や技術を身に付けて帰って来たいと思っていたので、それにはかなりの費用が必要でした。
その為留学を決めた翌月思い切って仕事を辞めて実家に戻り、2年間朝から晩まで週7日必死に働いて留学費用を貯めました。
カナダではビジネスコースを専攻
留学後は8ヶ月間カレッジ併設のESLで英語を学び、その後2年間のビジネスコースを専攻し経営学のディプロマ(準学士号)を取得しました。卒業後は2年ほど現地で働き、30歳を目前に日本に帰国しました。
カナダの大学は入るより出るのがずっと大変だと聞いていましたが、想像以上に物凄く大変でした。とにかく課題やテストは多いし、グループワークも沢山あり授業は参加型、毎日クラスメイトと図書館やカフェテリアで遅くまで勉強しました。人生で一番勉強した2年間でした。
カナダの学生生活はとてもメリハリがあり、学期中は必死に勉強しますが、休む時はしっかり休んで思いっきり遊ぶ!その為夏休みや冬休みは課題がありません。私も長期休暇はアルバイトをしたり、友人と様々な場所へ貧乏旅行をしたり、勉強は一切せずに過ごしました。
留学先をカナダにしたワケ
どうしてカナダに留学したのかとよく聞かれますが、私の場合留学先は最初からカナダ一択でした。
それは18歳の時に家族でカナダのプリンスエドワード島を旅行で訪れた際、自然の美しさ、街の美しさ、人の温かさに感動し、いつかもう一度絶対ここに来たいと思っていた事が一番の理由でした。他にも訛りの少ない綺麗な英語を話す国だという事、教育水準が高い事、費用が抑えられる事、治安が良い事もカナダを選んだ理由です。
もちろんカナダでも都会は生活費も高額ですし、海外からの移民の人口もとても多いですが、私が留学した田舎街は生活費も学費も比較的安く、訛りのない綺麗な英語を話すカナダ人が多く、また安全で住みやすい街でした。
何よりも人がとても温かく、バスの運転手さんや店員さんは皆気さくに話しかけてくれますし、外で困っていると知らない人でも当たり前のように声を掛けて助けてくれました。
夏はカラッとしていて夜22時過ぎまで昼間のように明るいので、湖に行ったり、釣りをしたり、友人とバーベキューをしたりと長い1日を思いっきり楽しみました。
冬は長くとても寒いですが、スキーやスノーボード等のウィンタースポーツが盛んでしたし、アイスホッケーの試合を観戦したり、温泉に行ったり、マイナス30度の生活も慣れてしまえば平気でした。鼻の中や半乾きの髪が一瞬で凍るのは、雪のない県で生まれ育った私にはとても貴重な経験でした。
またカナダは公立カレッジ・大学にフルタイムで半年以上通学するとOff-Campus work permitが申請でき、学校外でアルバイトが出来ることも大きな魅力の1つでした。留学後半の生活費は全て現地でのアルバイトで稼いだお金でまかないました。カフェ、レストラン、アパレル店員等様々なアルバイトをしました。
さらに卒業するとPost-Graduation Work Permitという就労ビザが申請でき、最長3年間の就労が可能になります。カナダでの就労経験は間違いなく一番私の英語力をアップさせてくれました。
学校の先生やホストファミリーは留学生の英語に慣れていて多少下手な発音でも理解してくれますが、外国人と殆ど接した事のない方が相手だと私の英語が全く伝わらないなんて事は数え切れない程ありました。そのせいで苦労した事も悔しい思いをした事も沢山ありましたが、海外で外国人として働いた経験はとても貴重で大きな自信にもなりました。
留学のメリット
カナダで過ごした5年間は私にとってかけがえのない時間です。
留学をしなかったら絶対に出会う事がなかった沢山の素晴らしい出会いがありました。広い世界を見る事が出来ました。強くなりました。外に出て改めて日本の良さに気付き、初めて日本人である事に誇りを持てるようにもなりました。
今はアメリカに本社がある外資系企業で毎日英語を使って仕事をしています。あの時音楽学校で英会話を選択しなければ、あの先生との出会いがなければ、姉が留学を提案していなければ、思い切って音楽をやめて留学をしなければ、今の私はなかったと思います。
人生いつどんなきっかけで本当の夢や目標を見つけるかなんて分からないものだと思います。今仕事を通して思う事は、英語を話せるようになる事は決してゴールではなく、語学はいつだって手段に過ぎないという事です。英語が話せなくても日本では生きていけます。ですが英語を話せるようになったらこんなにも世界が広がるのだという事を、私は留学を通して実感することができました。