アジア大学ランキング1位のシンガポール国立大学が知りたい!

先日発表されたTimes Higher Education Asia University Rankingsでは2015年まで3年連続首位だった東京大学を抜いてアジアの大学のトップに選ばれたのはNational University of Singapore、シンガポール国立大学です。そんなシンガポール国立大学の強みと魅力とは? シンガポールのマーライオン

なにがすごいの?NUS

シンガポール国立大学はシンガポールにある大学の中で最も歴史のある大学です。活気のあるアジアの中心ともいわれる国際都市シンガポールにあるアジアのトップ大学です。生徒の国籍は100を超えるインターナショナルな大学です。School(学部)の数は17あり、日本の大学との提携校も多いです。 東京大学とNUSのTHEアジア大学ランキングのポイント内訳をみてみましょう。 ・Teaching 東京大学 78.1 : NUS 69.3 ・International Outlook 東京大学 30.3 : NUS 96.2 ・Research 東京大学 79.5 : NUS 84.3 ・Citations 東京大学 60.9 : NUS 79.4 ・Industry Income 東京大学 50.8 : NUS 49.8 ・Overall 東京大学 67.8 : NUS 77.4 Teachingは教育の質や学習環境、International Outlookは学生と教授の国際性、Researchは研究、Citationsは論文被引用数、Industry Incomeは産業収入を指します。 次に各項目でのランクです。 ・Teaching 東京大学 1位 : NUS 4位 ・International Outlook 東京大学 70位 : NUS 4位 ・Research 東京大学 3位 : NUS 1位 ・Citations 東京大学 19位 : NUS 3位 ・Industry Income 東京大学 107位 : NUS 111位 ・Overall 東京大学 7位 : NUS 1位 NUSはIndustry Incomeでは他の大学に押されていますが、Teaching, International Outlook, ResearchとCitationsではアジアのトップレベルといっても過言ではありません。 東京大学はアジアトップの教育の質と高い研究能力を持っていますが、一方でNUSに国際性で大きくリードされてしまっています。国際性は東京大学がNUSから大きく引き離されている要素であることがわかります。 大学の講義

NUSのグローバル教育

NUSの高い国際性。その秘密はどこにあるのでしょうか。注目すべきは留学生の招致です。NUSで学ぶ留学生には奨学金を得て、留学している生徒が少なくありません。学部課程ではあまり多くありませんが、修士・博士課程ではとても充実した奨学金制度が存在します。 奨学金制度を充実させることで海外の優秀な学生を呼び込んでいるのです。学生にとっては奨学金のお陰で安く学業を修めることができ、コストパフォーマンスも文句がないレベルです。大学にとっては優秀な学生を集めることで学校の教育・研究の質やを向上させることができます。将来的にはその卒業生が学校に寄付してくれるようになる可能性もあれば、研究者として学校の名声を高めてくれる可能性もあります。 NUSの奨学金の資金は海を越えた華僑からの資金援助ゆえだと言われています。NUSは寄付金を多く獲得することで気前のいい奨学金制度を行うことができるのです。 大学生

NUSから日本の大学を考えてみる?

さて、ここまでNUSは手厚い奨学金制度で優秀な学生を世界中から集めてきている、そしてそれが日本の大学との大きな違いであるということを話してきました。じゃあ、日本には海外からの留学生は少ないのでしょうか。日本の高等教育機関に在籍している外国人留学生の割合は全体の6%です。日本の教育は世界教育ランキングなどでも世界トップクラスに選ばれるなど、高く評価されているにも関わらずどうして日本にやってくる留学生が少ないのか。 理由の一つとして考えられるのは限られた留学生の招致や留学生のための奨学金プログラムです。官民共同の給付型奨学金プログラム、トビタテ留学JAPANの対象は海外に行く日本の学生達です。留学生の招致にも給付型奨学金プログラムをつくることで海外から優秀な学生を招致する必要があるのかもしれません。 日本ではまだまだ英語で行われる授業も少ないです。確かに英語で行われる大学の授業は年々増えてきますが、学生の専攻は未だ限られがちです。より多くの授業が英語で行われるようになれば留学生にとっても学びやすい環境になるでしょう。ただ、それにはやはり日本人学生たちの英語力の向上が求められるので、日本の英語教育の改善が求められます。(その点、シンガポールでは英語が公用語なので、NUSは英語で授業が行われることが普通です。) 留学経験者がたくさんいるクラスと世界中からの留学生がいるクラス、どちらの方がグローバルでしょうか。どちらの方が、他の生徒に与える影響は大きいでしょうか。日本のグローバル教育は日本人学生を海外に送り出すだけではなく、外国人学生を日本に招致することで進んでいくのかもしれません。

参考

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