IB・国際バカロレアにはどんな科目があるの?
IB・国際バカロレアってなに?ではIBについて紹介しましたが、今回はIB・国際バカロレアで受講することができる科目について紹介していきます。ただし、IB・国際バカロレアで開講されている科目すべてがすべてのIBスクールで開講されているわけではありません。学校ごとに開講されている科目は変わってくるので、必ず入学前にチェックしましょう。
もしもIBを始める前にすでにIB終了後の進路が決まっている場合、その大学の進学に必要なIB Subjectがないか先に調べておくことがおすすめです。特に理系の学部では入学時にIBで特定の科目を受講したこと求められることがあります。
IB・国際バカロレアにおける
- Predicted Grade:過去の成績から予想される卒業試験での試験結果予想
- 実際の卒業試験の結果
- 卒業論文(Extended Essay)
- 課外活動
の総合点が、日本で言うSATや高卒認定試験と同等の扱いになります。
もしも英語やその他の母国語以外の言語でIBを受講・受験する場合には、そのハンデを乗り越えるために、戦略を練ることも必要かもしれません。得意科目をHLで受講したり、それまでに受講したことのある科目を選ぶこともよし。あえて興味があるけれど、未だ勉強したことのない科目にチャレンジするもよし。ただ、2年間をかけて学んでいくので、なるべく自分が楽しんで学べる授業を選ぶことがおすすめです。
What's in IB?
IBでは各科目を6つのグループに分け、各グループから1つずつ選び、すべてのグループの科目を受講します。レベルはスタンダード(SL)とハイヤー(HL)から選ぶことができますが、それぞれ3つずつ受講する必要があります。科目によってはSLしか開講されていないものもあるので注意しましょう。
Group 1:Studies in Language and Literature
Group 1では母国語もしくは母国語レベルの言語を受講します。Literatureはそのまま文学、Language and Literatureでは文学だけではなく言語学的な側面からもその言語を学びます。Literature and Performanceは文学と演劇です。
- Language A : Literature SL/HL
- Language A : Language and Literature SL/HL
- Literature and Performance SL
日本人の場合は日本語をLanguage A Literatureとして受講することができます。海外で学校で担当の先生がいない場合はSelf-taughtで受講することができます。ただし、Self-taughtではSLコースのみになります。
Group 2:Language Acquisition
Group 2では外国語もしくは古典言語を学びます。外国語の場合、レベルによってab intioとよばれる初心者コース(SLのみ)もしくはLanguage Bという就学経験のある言語を学ぶコース(SLもしくはHL)を選びます。英語にはab intioはありません。Language Bのコースは就学経験のある言語のクラスと言っても日本で行われている英語のクラスよりも難しいです。
古典言語は現在ギリシャ語もしくはラテン語のみです。
外国語や古典語を取る代わりにもう一つLanguage Aのレベルで言語を受講することも可能です。
- Classical Languages
- Language B
- Language ab intio
Group 3:Individuals and Societies
簡単に言うと社会科学です。たくさん読んでたくさん書きます。最終試験はどの科目でも筆記式で行われるので、2年間を通してしっかりと書く能力を養う必要があります。もちろん、日々の課題をこなしていくことで自ずとその能力は身についてきます。日本人で英語でIBを受講する場合には、今迄に日本の学校で履修したことのある科目を選ぶことも一つの手です。
- Business Management SL/HL
- Economics SL/HL
- Geography SL/HL
- Global Politics SL/HL
- History SL/HL
- Information Technology in a Global Society SL/HL
- Philosophy SL/HL
- Psychology SL/HL
- Social and Cultural Anthropology SL/HL
- World Religions SL
Group 4:Experimental Sciences
自然科学です。IBでは自然科学では必ず実験に基づいたInternal Assessmentと呼ばれるレポート(論文もどき)を書きます。自分で実験を計画、実行、そして分析する能力が求められます。
- Biology SL/HL
- Chemistry SL/HL
- Computer Science SL/HL
- Design Technology SL/HL
- Environmental Systems and Societies SL
- Physics SL/HL
- Sports, Exercise and Health Science SL/HL
Environmental Systems and SciencesはGroup 3として受講することも、またEnvironmental Systems and Sciencesはその一教科でGroup 3とGroup 4の両方を受講しているということにもできます。もしもEnvironmental Systems and SciencesをGroup 3と4の両方として受講した場合には、Group 6の科目を2つ受講することや、他のLanguage AもしくはBを受講することができます。
Group 5:Mathematics
数学には4つのレベルがあります。簡単な方から順番に
- Math Studies (SL)
- Math SL (SL)
- Math HL (HL)
- Further Math (HL)
です。
今まで日本で教育を受けてきた人にとってMathで壁になる可能性があるのは電卓を使っての計算です。海外の数学で使われる電卓は関数電卓と言われる電卓で数式を打ちこむだけで簡単に答えが求められたり、グラフを書いたりできてしまう優れものです。その優れものの何が壁になるかというと、関数電卓には機能がたくさんありすぎて使いなれるまでが大変だということ。
日本ではびっくりの話ですが、海外では授業や試験で関数電卓を使うのは当たり前です。日本人は暗算でちゃちゃっと計算してしまうようなことでも、電卓を使う外国人はたくさんいます。
Math Studiesは数学というよりも算数と言われることもあり、数学のテクニークなどを必要とすることはほぼありません。実用に必要な数学を身につける程度であれば、Math Studiesでも十分と言われますが、日本の中学数学までしっかりできていれば、Math SLでもしっかりと試験にパスすることができるはずです。
Math Studies〜Math HLはほぼすべてのIB校で受けることができますが、Further Mathは学校によっては開講されていないこともあるので、注意をしましょう。
Group 6:The Arts
アートは5科目ありますが、アートを取りたくない場合にはGroup 1~5の中からもう1科目受講することができます。
アートでは実技だけではなく、その歴史なども含めて学びます。
- Dance SL/HL
- Film SL/HL
- Music SL/HL
- Theatre SL/HL
- Visual Arts SL/HL
Theory of Knowledge
Ways of KnowingとAreas of Knowledgeから知識について学び、論理的思考力や客観的に物事をみることを学んでいきます。
Extended Essay
Extended Essayは簡単にいうと論文です。上限4000 wordsです。(英語、フランス語もしくはスペイン語で。)自分で研究課題を決め、それについて書いていきます。論文なので、なんの根拠もなくべらべら書いて言い訳もなく、下調べなどをして、しっかりとした出典にもとづいて書いていく必要があります。
研究課題には特に縛りはありませんが、多くの場合は自分が受講している科目に関連したものを書きます。(例外もある。)もしも、Group 4の科目に関連した内容で書いている場合、Extended Essayは実験に基づいて書く必要があります。
CAS
CASはCreativity, Action and Serviceの課外活動のことを指します。IBでは学問だけではなく、課外活動も重要な教育の一環として行われています。学校によってどのように実施されるかは変わってくると思いますが、どの学校でもCreativity, Action and Serviceのすべてを行います。
IB・国際バカロレアの評価方法
IBでの成績は二年間の最後に行われる試験の結果に加え、Internal Assessmentと呼ばれる2年間の間に提出するレポートやエッセイなどから判断されます。
一般的にはIBコースの生徒は最終学年になると大学進学のためにPredicted Gradeといわれるスコアを利用して大学へ出願していきます。Predicted Gradeとはその生徒の最終成績を予想した成績表のことです。アメリカの大学に進学する場合には、このPredicted Gradeが重視されます。
まとめ
IBでは日本の高校で教えられている科目はもちろん、日本の高校では学ぶことのできない科目を学ぶこともでき、世界が広がります。授業のレベルも概ね高く、質の良い教育を受けることができるのでおすすめのコースです。