アメリカの男子大学潜入レポート(1) ~導入編~

アメリカの男子大学

男子大学!? 私の留学先の話をするといつも驚かれます。男子大学なんて存在するの!? はい、存在するんです。私が留学していた、Wabash College(ウォバッシュ・カレッジ)はアメリカでも珍しい男子大学のひとつでした。2015年現在、日本には男子大学は存在しないそうです。女子大学は日本にも多くありますし、アメリカでも珍しくありません。ヒラリー・クリントンが卒業したWellesley College(ウェルズリー・カレッジ )などを擁する東部の名門女子大学群「セブン・シスターズ」は日本でも有名ですね。一方男子校は…? アメリカの知られざる男子大学事情、気になりませんか?

そこで、「アメリカの男子大学潜入レポート」と題して、男子大学ならではの面白い点やメリット、文化など数回にわたりお伝えしてゆきたいと思います。今回は導入編ということで、男子大学の基本的な情報についてご紹介します。

 

男子大学の歴史

アメリカの男子大学

アメリカでは元来、男子大学は珍しくもなんともなく、むしろ主流でした。逆に共学は少なく、ほとんどの大学が男子校、または女子校だったのです。1960年代まで、この男女別学の流れは続いていました。この時期まで、ハーバード大学やイェール大学など日本でも有名な多くの大学は依然、男子校だったというのも、今から考えれば驚きです。コロンビア大学に至っては、1983年まで男子校だったのです。1960年代以降、アメリカの男子大学の多くは女性にも門戸を開きはじめました。この時代の流れに逆らい、いまだ現存している男子大学がわずかながらにあります。

 

たった3校? 幻となりつつある男子大学

アメリカの男子大学

宗教学校や4年制以外の大学を除き、アメリカには2015年現在、3校の伝統的な男子校が現存しています。いずれもリベラル・アーツ・カレッジです。

・Wabash College(ウォバッシュ・カレッジ) 1832年創立・インディアナ州

・Morehouse College(モアハウス・カレッジ) 1867年創立・ジョージア州

・Hampden-Sydney College(ハンプデン・シドニー・カレッジ) 1776年創立・バージニア州

アメリカ留学のためのアメリカ大学ランキングによるとHampden-Sydney Collegeの学生の0.09%、Morehouse Collegeの学生の0.18%が女子ということになっています。私が通っていたWabash Collegeの女子学生比率は正真正銘の0%です。Morehouse Collegeは、アフリカ系アメリカ人の入学のみ許可していたユニークな大学で、キング牧師をはじめ、俳優のサミュエル・L・ジャクソンや監督のスパイク・リーを輩出したことでも有名です。

 

伝統を貫き通す絶滅危惧種 Wabash College

アメリカの男子大学Wabash College

3校現存する男子大学のうちの1つが、私が留学していたWabash Collegeです。日本では、ウォバッシュ・カレッジやワバッシュ・カレッジ、あるいはウォバッシュ大学、ワバッシュ大学などと呼ばれています。男子学生比率100%、正真正銘の男子大学です。インディアナ州西部、クロフォーズヴィルに位置しています。全米の中でも教育力に定評がある名門リベラル・アーツ・カレッジです。アイビーリーグの一角をなすダートマス大学の卒業生たちが1832年に創立しました。キャンパスはとても綺麗です。

学生数は少なく、約900人。教授と学生の比率は10:1で、きめ細かく親身な指導を受けることが出来ます。講義の7割は学生数20名以下で行われています。私が受けていたPhotographyのクラスに至っては、学生数が10名をきっていました。学費は1年約4万ドル、加えて寮費が1万ドルほどなので、必要経費は日本円で1年約600万円。日本の大学と比べてとても高額です。しかしスカラシップやローンも充実しており、学生はみな何かしらの補助を受けているそうです。卒業生の大学への忠誠心は強く、学生1人当たり換算での寄付金の額は全米でもトップクラスだそうです。このことは学生へのフィナンシャルサポートの豊富さにも現れています。

男子大学の授業

大学の理事や卒業生、また学生の一部はWabash Collegeの共学化に強く反対しています。しかし入学を男子に限定することによって生じる競争率の低下などを懸念し、共学化を求める声も大きい印象を受けました。

留学生は少ないです。中国人とベトナム人が留学生の大多数を占めており、そのほかバングラデシュやインド、ネパール、韓国などアジア系留学生が数人。アフリカやヨーロッパからの留学生もいました。あまりにも留学生が少ないのでほぼ全員と面識がありました。交換留学生(1年の滞在のみ)に至っては、私だけ。他は全員正規学生だったと記憶しています。日本人も私だけ。これ以上ないほど少数派でしたが、学生はみなフレンドリーで、生活に不自由はしませんでした。強いて言うなれば、女性がいないのは厳しかったですね…

 

次回以降もお楽しみに!

大学の仲間

「アメリカの男子大学潜入レポート(1) ~導入編~」はいかがでしたでしょうか。アメリカの男子大学事情について、なんとなく知っていただけたかと思います。「留学あるある」ではなく「留学ないない」になってしまうか心配ですが、アメリカのユニークな男子大学事情を、実際に男子校に留学していたという特殊な経験をもとにご紹介してゆけたらと思います。

 

~参考リンク~

Wabash Collegeホームページ

アメリカ留学のためのアメリカ大学ランキング

Best Colleges – US News & World Report

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この記事の著者

Leo

Leo★アメリカ大学(男子校)1年間

イタリア生まれの日本育ち。大学2年次から3年次にかけて1年間、アメリカ中西部の男子校に留学。国際関係、紛争、芸術(制作)を学ぶ。留学中は自転車部と民族音楽サークル所属。趣味は自主映画製作。イギリスの大学院へ進学予定

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