ゆとり?スパルタ?イギリスの大学生の日常

イギリスの大学生活 留学中の人は、もう新学期に突入している頃でしょうか。まだ時間割を決めかねているところかもしれません。以前、長期留学のメリットの記事で「留学中は、授業数もさほど多くないので、自由な時間が増えます」と書きましたが、それなら空きコマは何をしているのか?授業の予習・復習にどの程度時間がかかるのか?と疑問に思った方もいると思います。 今回は、留学生活の「日常」にフォーカスして書いていきます。  

なんせコマ数が少ない

イギリスの大学の授業 マンチェスター大学の授業は、文系の場合、レクチャー(講義)とチュートリアル(少人数で行うゼミのようなもの)がセットになっていることが多いので、一授業あたり20単位というパターンが多いです(もしくは概論などの通年科目であれば、通年で20単位)。一年間に取れる単位が最大120単位なので、半期で取れるのはその半分の60単位、つまり実際には3科目ほどしか履修できません。日本の大学では90分授業で、週25コマまでが上限だったので、その時と比べると、スケジュールに余裕があるなという印象でした(むしろ日本はコマ数多すぎだと思います…)。 Semester 2 の私の時間割は、以下の通りでした。 大学の時間割 意外に空きコマが多いと思いませんか。全休が週1日、1コマだけの日が週3日もあり、意外とゆとり?なタイムテーブルになっています。ただ、これは私が社会学などを中心に履修していたためであって、ビジネス専攻や理系の友人はもっと忙しそうにしていたので、皆が皆こんな時間割だったわけではないです。 レクチャーは2時間で、日本の90分授業より長いですが、ちょうど1時間くらいで「コーヒーブレイク」という10分程度の休憩時間をはさむので、むしろ90分ぶっ続けの日本での講義よりも効率的なんじゃないかと思っていました。 ※Semester(セメスター)について、こちらの記事も参考に! 「いまさら聞けない!アカデミックイヤーとは?学期制って?」

空きコマの活用術

空きコマが多いなか、学生はその時間をどう活用しているのでしょうか。いくつか紹介します。 大学での時間の使い方

とりあえず勉強

これが大多数だと思います。イギリスの学生は、本当によく勉強します。なので、図書館や自習室などはいつも大盛況です。 なぜこんなに勉強するのか。それは毎週の課題が多いからです。課題といっても、提出が義務付けられているものではなく、むしろ自主的に行うリーディングがメインとなります。リーディングをしてこないと、チュートリアルで痛い目に遭います。通常、チュートリアルは1回目のレクチャーを終えた翌週から始まるので、前の週のおさらいとトピックを深める目的があります。そのため、前週のトピックの文献を念入りに読み込んで、意見交換に参加することが大切です。課題として指定されるのは、1~2つの文献ですが、一つあたり50ページを超える時もあり、そのたびにひいひい言いながら読んでいました。 チュートリアルの準備時間は人それぞれですが、私は最初の方だと、1文献につき丸一日ほどかかっていたのではないかと思います。単語を調べたり、よくわかないところを読み返したりしていると、膨大な時間がかかってしまいます。慣れてくると、全部を精読しないで、レクチャーで教授が取り上げていたトピックだけを重点的に読んだり、関心を持った部分を取り上げてみたりと自己流のやり方を取得していきます。リーディングの方法については、本サイトのライターLeoさんの記事も参考にしてみてください。私も見習いたいくらい、大切なことが書いてあります。
マンチェスター大学
マンチェスター大学で大人気の自習用の建物。常にほぼ満席状態。

Language Exchangeをする

Language Exchange (LE) とは、ある言語の学習者と母語話者がペアになって、お互いの言語を教え、練習し合うことです(詳しくはIELTSのスピーキング対策の記事をご覧ください)。主に語学専攻の学生と留学生に多く、空きコマにLEをしている人をよく見かけました。かく言う私も、空きコマはもっぱらLEで、Semester 2 では週3~4回していました。もはや授業でしたね。 1回のLEの時間は、相手の都合にもよりますが、1時間~最長3時間くらいで、LEパートナーと話し合って決めます。LEのメリットは、一定の会話練習ができること、文法や語句的なエラーをちゃんと訂正してもらえること、気心知れた友人ができること、です。ぜひ、留学中に挑戦してみてください!

街に出かける

空きコマに街を散策するのも、おすすめです。買い物に出かけても、いつもと同じお店・同じルートばかり通っていませんか?「いつかゆっくり街を散歩しよう」なんて思っていると、タイミングを逃しかねません…!ふらっと街に出て、そこで働く人や行き交う人を観察してみるのも、なかなか楽しいです。特に今まで通ったことのない道を通ってみると、見知らぬ景色にワクワクしたものです。留学という貴重な機会を得たからには、部屋に閉じこもってばかりではなく、自分で見て、聞いて、感じることも大切だと思います。もちろん、一人歩きしても大丈夫な地域、時間帯を選びましょう。

公園で読書
出かけた先で、お気に入りの場所に出会うことも。

ジムに行く

寮ごとにジムがあります。会員制(有料)ですが、こちらでは「身体を鍛えること」は健康のためにも、ファッションとしても重視されているようで、なかなか盛況しています。私は会員ではなかったものの、寮内で運動着姿の友人とすれ違うたび、「美意識高いな…」と尊敬のまなざしでした。休日だけ利用する人が多いですが、ストイックな人は平日でもジム通いしてます。  

週末になると豹変

クラブ そんなこんなで、平日の大半を大学の授業や勉強に費やす学生たちですが、金曜の夜くらいから様子が変わります。いわゆる「華金」(華の金曜日)です。金曜や土曜の夜には、多くの寮で毎週のようにパーティーが開かれます。みんな平日のフラストレーションを解消するかのように、騒ぎまくるのです。私は女子寮だったので、パーティーはほとんどありませんでしたが、道路を挟んだ反対側の寮からは、毎週のように大音量のクラブミュージックが流れてきました。 土日の過ごし方も、人それぞれです。私の寮の住人たちは、ソサイエティ(サークル)の活動に参加したり、ダラダラ部屋で過ごしたり、友人たちとコモンルームでおしゃべりしたりと比較的穏やかな過ごし方をしていました。私の寮は、週末に食事が出なかったので、友達と一緒に料理を作るのも休日の楽しみでした。また、毎週土曜の夜には、友人宅や寮でムービーナイトがあったので、よく混ぜてもらっていました。他にも、週末には、国際交流の団体であるInternational Societyの主催する日帰りのバスツアーや各種イベントなどがあり、比較的アクティビティは充実していたと思います。  

おわりに

留学中の仲間
みんなでやれば、勉強も楽しい。
いかがでしたか?タイトルにもあるように、コマ数は少ないけど、自主学習の多いこの教育スタイルは果たしてゆとりなのか、スパルタなのか。みなさんはどう思いましたか。 留学中は、アルバイトもサークルもなければ、自分の時間をたくさん持つことができます。その時間をどう過ごすかで、留学の充実度も変わってくると思います。 イギリスの学生を見ていると、ON/OFFの切り替えが上手なのがよくわかります。勉強しなければいけない時は頑張って勉強をして、休日になるとハジけ出す…。メリハリがある学生生活だなと感心しました。 自由な時間を活用して、ぜひ留学生活を満喫してください!

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