ドイツの大学の“実験系”研究室のリアル ~スケジューリング・私の研究室生活編~

大学の研究室のスケジュール 前々回に引き続き、ドイツの大学での4か月の研究留学を通じて体感した研究室生活のリアルに迫りたいと思います。 これまで、<ドイツの大学の“実験系”研究室のリアル ~建物・設備編~><ドイツの大学の“実験系”研究室のリアル ~人・お仕事編~>と題して、私が在籍した研究室の建物や設備、出入りしている人とそのお仕事、活動内容について書いてきました。今回は、その最終回として、<ドイツの大学の“実験系”研究室のリアル ~スケジューリング・私の研究生活編~>と題して、一日・年間のスケジュールをまとめてから、私の4か月の研究室生活を紹介して終わりにしようと思います。 まずは、研究室内における一日の人の動きを見ていきます。

ある一日の時間の流れ

時間 07:00- 掃除のおばさんが建物内を掃除しはじめる。 07:30 建物の鍵が開く(鍵なしでも入れるようになる)。8:30くらいまでにスタッフが揃う。 -09:30 研究者(教授・ポスドク・ドクターの学生)がだいたい揃う。 12:00 - 14:00 昼休み(このうちの1-2時間)を取る。いったん自宅に帰る人も。 昼食+コーヒーブレイクで仕事再開。 16:00 スタッフ陣が帰宅しはじめる。 18:00 建物の鍵が閉まる。ほとんど誰も残っていない。 朝早くにきて一日にきっちり8時間働いたら帰るというイメージ。毎日大体同じ時間に来て同じ時間に帰ります。ただし、金曜日に関しては、午前中で帰ってしまったりそもそも来なかったりするスタッフが多いです。 また、8時間で仕事をキチンと終えるために、時間がかかりそうな打ち合わせや装置利用の講習は、アポイントを取ってスケジュール管理する場合がほとんど。残業時間が短いドイツ、仕事の優先順位付けがきちんとされていることはさすがです。

夏休み・冬休みもがっつり

研究室 一日における研究室の滞在時間が短いだけでなくて、年間での労働(通学)日数も少なく、みんなが長期休みをとります。私がいた夏休み期間だと、6月下旬~8月中旬のうちで、それぞれのタイミングで3週間くらい休みをとって、地元に帰ったり、南ヨーロッパに夏を楽しみに行ったりしていました。冬は2週間くらい休みを取って、家族と過ごしたり、スキーをしたり、というのが基本。一年~半年前には日程を完全に決めていて、そこには予定が入らないように管理しているほか、休みは何をしよう、と日々画策してわくわくしています。 そして休みの間は、別の人が事務的な仕事を兼ねているようですが、そもそもそこまで人がいないので仕事がたまることはないようです。一方実験装置の講習などの仕事は、引き継がれないようなので、夏休み期間に行く私のような留学生は、装置が使えない、質問ができないなどでちょっと困ったことになることもあります。 以上、どんな研究室で過ごしてきたか、というのを紹介してきましたが、ここで、私が実際に送った研究室生活を紹介したいと思います。

私の4か月の研究室生活

<大学の留学プログラムを使って研究留学しよう!~留学プログラム・留学先の決め方編~>でも書いた通り、大学の留学プログラムでは、2-3ヶ月くらいというのが多いかとは思いますが、在学期間を延長せずに行ける範囲で最長であった4か月にしました。私の場合、プロジェクトのために必要とされる実験結果を出し切る、というのが最大のタスクだったので、以下のように実験中心の生活になりました。

4ヶ月の活動内容

スケジュール 第1週目:生活の準備。研究室の説明を受ける。 第2-4週目:勉強する。実験計画を立てる。装置の利用方法を学ぶ。試料を準備してもらう。 第5-14週目:実験する。合間に勉強・分析する。たまにミーティングに参加する。 ・第8-9週目:追加実験を検討して実施。 ・このうち合わせて3日休んで旅行に出かける。 第15週目:分析・プレゼン準備。たまにミーティング。 第15-16週目:大学内や企業でプレゼンする。レポートをまとめる。追加実験を実施。 第17週目:旅行・帰国準備。

実験期間中のある一日の流れ

研究室での実験 07:30大学に到着。装置の電源を入れ、一日のスケジュールを確認。 08:00 測定をいくつか片付け、前日の結果を入力。 08:30自分のデスクで1時間程度の仮眠をとる。 09:30 実験再開。論文を読んだり、結果を整理したり。 12:30 同室の中国人たちと学食で昼食。 13:20 コーヒーブレイク。 13:30 実験再開。翌日のスケジュールを作成。 17:30 実験終わり、帰宅。 実験の種類や装置と4か月という(プロジェクトの内容に比べると)短めの滞在期間の関係で長時間研究室にいる必要がありましたが、普通はこんなに長時間大学にいる必要はないし、本来だと労働時間的にいられないのかなあとも思います。

まとめ

課題 これまで3回書いてきた記事の内容を一言でいうと ドイツの研究室生活は学生生活、というよりは研究所での仕事みたい といった感じです。 研究者として一歩踏み出したい!という人には、いい環境だけど、学生らしい、楽しい留学生活を送りたい!という方にはちょっと物足りないのかなあ、と思ったりします。 留学エージェントに資料請求

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