知りたい!Alternative Educationってなに ~ホームスクールとアンスクーリング~

Alternativeには〝もう一つの可能性"という意味があります。Alternative Educationというのは従来の教育とは異なる教育のことを指します。今回はAlternative Educationの中でもホームスクールとアンスクーリングについてです。日本では学校に行くのは普通で、学校に行かないことは不登校としてネガティブに捉えられがちです。しかし、欧米にはポジティブに学校に行かないという選択をする学習手法があります。アメリカの高校や大学に留学すると周りにはホームスクールやアンスクーリングの出身者と出会うことがあります。日本では学校に行くことが当たり前なのでちょっとびっくりしてしまうかもしれませんが、これもアメリカでは普通のことです。 us-mm_alternativeeducation01

ホームスクールってなに?

ホームスクールとは簡単に言うとお家が学校という教育のことをいいます。学校には行かないけれど、自宅が学校で先生は家族や家庭教師。多くの場合、体系的なカリキュラムを採用して、先生役の家族や家庭教師が子供に勉強を教えます。家族の監督の下、オンラインで授業を受ける場合もあります。 ホームスクールが盛んなアメリカでは自宅に学習のベースを置きながらも、自宅の外で他のホームスクールの子供と同時に学んだりすることもあります。

アンスクーリングってなに?

アンスクーリングとは学校に通わず、特に教師のような立場の人も持たずに、子供達が自分の自主性に従って学習していくことです。子供達は学習に際し、特定のカリキュラムを持たず、自分の興味の赴くままに学んでいきます。学びは常に子供主導で、保護者はその手助けをします。 us-mm_alternativeeducation03

ホームスクールとアンスクーリングの違いとは

ホームスクールとアンスクーリングの大きな違いは教師のような子供の学習をリードする立場の存在があるかないかです。ホームスクールでは学校に行かなくても保護者が先生として、子供の学習をリードしていきます。一方、アンスクーリングでは子供は誰にも自らの学びをリードされることなく、自分で学んでいきます。もちろんアンスクーリングでは決められたカリキュラムは存在せず、一人一人が自分の好きなように学んでいきます。

どうしてホームスクールやアンスクーリングを選ぶのか

日本で学校に通わずに自宅で勉強する場合、その理由は不登校が多く挙げられと思います。しかしアメリカではホームスクールやアンスクーリングを選ぶ理由は様々です。ポピュラーなものは
  • 宗教的な理由
  • 家から学校までが遠い
  • 学校の環境に不安がある(教育の質など)
  • 子供の能力が学校の教育の手に余るため
日本で言われる不登校とは違い、アンスクーリングやホームスクールを全ての教育課程で行わずに隔年ごとに学校に通ったり、中学校までは通わずに高校からは学校に行く場合など、学校とホームスクール・アンスクーリングを柔軟に組み合わせて学習する場合も多いです。 us-mm_alternativeeducation02

ホームスクーラーやアンスクーラーの学力は?

ホームスクーラーやアンスクーラーの学習に対する意欲が強く、学力は概ねして平均よりも高いことが広く知られています。 アメリカの大学はホームスクーラーやアンスクーラーにも寛大で、彼らの多くはアイビーリーグをはじめとした様々な大学へ進学しています。進学方法としては過去の成績書が提出できないかわりにPortfolioを提出したり、エッセイを他の受験生よりも多く提出したりして補っています。(アメリカの大学に進学するには一般的には過去の成績書と推薦書、エッセイなどが求められます。詳しくはこちら。)

ホームスクール・アンスクーリングのアドバンテージとは

  • 自分のペースで学ぶことが出来る
  • 自分の年齢や学年に関係なく、様々な年代の人と関わる機会が持てる
  • いじめなどの学校における問題から遠ざかることができる
  • 自分の個性を伸ばしやすい
  • 情緒的に安定しやすい
などのアドバンテージが知られています。学校に行かないと社会性が養われないのでは、なんて懸念を持つ人が多いですが、実は様々な年代の人と関わりやすいので、その点では問題がないようです。学校という環境で強制されることがないので、のびのびとした学習ができていいのかもしれません。 us-mm_alternativeeducation04

おわりに

世の中にはもちろん学歴がモノをいう時もありますが、必ずしもいつもそうとは限りません。学歴がなくても、その人の経験がちゃんと評価されることも少なくありません。海外でホームスクーラーやアンスクーラーに出会うと、日本でももっと学校に行かないというスタイルが広まってもいいのでは、と思います。 ただ、決してだれもがホームスクールやアンスクーリングできるわけではありません。ホームスクールやアンスクーリングを選ぶ家庭の多くは中産階級以上です。ホームスクールやアンスクーリングをするには両親のどちらかが一日中家にいるか、時間的にフレシキブルな仕事をしている必要があります。学校に通えることも通わないという選択をすることができることもどちらも恵まれている証です。  

参考

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