まるでセンター試験!緊張の期末試験@イギリス

イギリスの大学の期末試験 あけましておめでとうございます!新年を迎えるのと同時に、欧米留学中の学生の多くは、期末試験モードに突入しているのではないでしょうか。留学して初めての試験に、漠然と不安を感じていませんか。今回は、ややうろ覚えではありますが、留学中の記憶をさかのぼり、期末試験の様子について紹介したいと思います。

試験を受ける前に

大学の期末試験

試験期間

私が留学していたマンチェスター大学では、日本の大学の前期にあたるSemester 1 の試験期間が1月中旬~下旬、後期であるSemester 2 が5月下旬~6月初旬のそれぞれ2週間にわたって設定されていました。Semester 1 は、約1ヶ月間のクリスマス休暇後に行われるので、休暇中にしっかり勉強する人・休み明けに詰め込む人とタイプが分かれていたように思います(私は後者でした…)。Semester 2 は、4月いっぱいか5月の初めには授業が終わってしまうので、Semester 1 と異なり、約1ヶ月間の試験準備期間があります。この間、私は試験日が後半に集中していたため、勉強しつつも旅行に行ってきました。1ヶ月しっかり勉強し続ける正規生の友人たちには申し訳なかったですが、遊び盛りの交換留学生にはクリスマス、イースターに次ぐ第3のバカンス状態でした。 試験期間中の2週間は、毎日試験があるわけではなく、履修科目によって試験日が決まっており、2~3日に1回試験がある人もいれば、4日連続試験で、1週間で終了という人もいます。試験のスケジュールは、だいたい試験期間の1ヶ月前には発表されていたと思います。 ※Semester(セメスター)について、こちらの記事も参考に! 「いまさら聞けない!アカデミックイヤーとは?学期制って?」 期末試験の勉強

試験方式

文系学生の場合、多くはエッセイ形式の試験を受けます。エッセイとは、日本の大学でいうレポートで、参考文献をもとに自分の意見を論理的に述べられているかが評価されます。私が受けた範囲でも、社会学、政治学、地理学、文化人類学などがこの形式をとっていました。しかし経済を専攻している友人は、経済用語の説明があったと言っていたので、履修コースによって出題形式は異なるようです。エッセイの場合、8~10個の問いのなかから2問を選んで解答する形式が多かったですが、先生によっては事前に出題テーマを公開してくれる人もいたので、その場合は5問から2問と効率的に勉強することもできました。

<エッセイの書き方>

エッセイは、構成さえしっかりしていれば、文法が滅茶苦茶でも採点者が意味をくみ取ってくれると思います。なので、議論の流れがシンプルに伝わるように構成を守って書きましょう。 エッセイの基本形は、
  • イントロダクション
  • メインボディ
  • 結論
です。問題の多くは、「Discuss(議論しなさい)~」となっているので、イントロダクションでは、出題テーマに対して「私はこう思う」と自分の意見を最初に述べます。私はその後に、エッセイをどう展開していくのかという文章の構成について書いていました。メインボディでは、テーマに関するこれまでの議論をまとめたり、語句の定義を説明したりします。その際に「Aという学者はこう述べていた」というように、考えの根拠を示すことが大切です。日本でのレポートの書き方と同じですね。また、問題の意図が「Discuss(議論する)」なので、自分と反対の意見も示すことでエッセイに深みが増し、加点がもらえると思います。最後の結論は、「このエッセイでこう述べてきた。だから私はこう思う」とまとめればOKです。

何をすればいい?試験対策

イギリスの図書館

とにかく復習

親切なことに、試験の1週間前にほとんどの授業でRevise seminar(復習講座)が開かれていました。これは、今まで授業で扱ったテーマの総復習で、テーマごとに先生がポイントをまとめてくれるので、最低限押さえておくべきトピックがわかります。休暇明けでも授業はサボらず、Reviseの回は必ず出席するのがおすすめです。また、各テーマの参考文献の読み返しも大切です。授業でメインに扱ったCore readingはもちろん、Supporting reading(補助文献)も読んでおくとさらに知識を深められますが、試験前はとにかく時間がないので、最低限Core readingの振り返りをしておきましょう。 さらに、「もう時間がない。助けてドラえもん~!」状態の人は、3テーマのみ復習する方法があります(私も実践済みです…)。先にも書いたように、大問2つを選択する形式の場合は、解答予定の2つ+保険用で1題を復習して準備しておくことで、なんとか試験を乗り切れます。 大学の先生に質問

わからないことは質問

イギリスの大学に通う学生は、よく質問します。先生も質問を歓迎しているので、わからないことがあれば試験期間にこそ、じゃんじゃんメールして聞きましょう。なかには学生からの質問をみんなで共有してくれる先生もいて、その質問内容を見てみると「マルクス主義がどういう考え方なのかわからない」というようなベーシックなものもありました。このように、わからないことを解決するのが質問の役目なので、質問することは決して敷居の高いものではないです!メールで質問すると文章で返ってくるので、口頭で質問するより理解しやすいかと思います。対面だと億劫という方は、チャレンジしてみてください。 試験勉強

過去問を解く

基本的にどのコースも2~3年分の過去問をデータベース化しているので、過去問を解いて事前に試験の傾向を分析するのも一つの手段です。過去問は、大学の個人サイト上からダウンロードしたり、授業で教授が配ってくれたりすることもあったので、簡単に入手できます。 以上のように、授業の復習+過去問+(質問)などをしておけば、試験対策はバッチリです!

緊張の試験当日

いよいよ試験当日。履修科目によって試験会場が違うので、会場を間違えずに確実にたどり着くことが大切です。試験会場は、普段授業を受けている教室とは別の会場であることが多く、バスに乗って、一度も行ったことのない場所に行くこともありました。なので、試験会場までの行き方・所要時間を調べて、事前に下見しておくなどすると安心です。 イギリスの大学の期末試験 ここで、イギリスの大学の試験について私が気になったことをまとめておきます。

<押さえておこう!試験上の注意>

  • 自分の座席に座る
試験会場は、完全座席指定です。これは不正防止のためだと思われます。広い試験会場だと、自分の座席を探すことすら大変で、センター試験の時を思い出しました。日本では、空いている席に座って気楽に受けていましたが、ここまで厳重に試験を受けるなんて…。また、筆記用具と学生証、貴重品以外の持ち物は、座席のそばには置けません。試験会場前の廊下や、会場の片隅にまとめて置きます。
  • 答案用紙は匿名に
答案用紙の表紙に名前と学籍番号を書きますが、名前の部分を折り返してのり付けするので、採点はすべて匿名で行われます。教員のえこひいき防止など「平等性」「公平性」を重視するためだと思います。これが試験を受けたなかで一番の驚きでした。
  • シャーペンはダメ!黒か青のボールペンで書こう
日本では、試験はシャーペンでもOKですが、イギリスでは黒または青のボールペンを使うことが原則です。ちなみに間違えた場合は、二重線で訂正します。修正ペン・テープは使用不可です。
試験勉強
パニックになったら、覚えていることを箇条書きして、頭を整理しよう!
試験時間は1科目2時間です。先述のように大問2題だとすると、1問あたり1時間かけて解答します。文字数は1問あたり800字程度などと、一部の授業では言われていましたが、IELTSのライティングTask2が40分で250字なので、それと比較すると多いですよね。最初は「こんな字数、無理!!」なんて思っていましたが、書き出してみると意外と止まらないものです。もちろん800字に届いていなくても、「量より質」重視なので減点にはならないと思います。 試験は、4割を超えないとFail(落第)です。なお、留学生は語学的に不利点があるので、Dictionary letterといって、辞書持ち込み許可証を事前に申請すれば、辞書を持ち込めるみたいです。しかし持ち込めるのは、紙辞書のみ。電子辞書には非対応のようです。

まとめ

いかがでしたか? ポイントをまとめると、
  • エッセイ形式では、構成(イントロ・メインボディ・結論)をしっかり守る!
  • 試験対策は、とにかく復習+過去問+質問!!
  • 試験会場への行き方・所要時間は要確認!必要であれば、下見も。
  • 会場は完全座席指定!
  • 解答はボールペンで。
  • 4割以上で合格!
初めての試験は緊張すると思いますが、しっかり準備をして臨めば大丈夫です。あまり気負いすぎず、体調管理に気をつけてがんばってください!!
試験勉強
これで試験当日はバッチリ!

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