イギリスの大学生はなぜよく勉強するのか?

イギリスの大学生 皆さんも一度は「海外の大学生はよく勉強する」「交換留学中は課題が多くて大変」と聞いたことがあるのではないでしょうか。今回の記事では私の個人的な意見も交えつつ、日本の大学生と比べてイギリスの大学生はよく勉強するのか、それはなぜなのかについて書きたいと思います。

イギリスの大学生はよく勉強するのか?

イギリスの大学生は、日本の大学生に比べてよく勉強します。授業の準備(主にリーディング)には授業時間の何倍もの時間をかけますし、特にテスト期間が近くなると図書館は朝から夜遅くまで勉強する学生でいっぱいになります。しかし1年中勉強ばかりしているというわけではなく、ホリデーには1カ月ほど帰省してのんびり過ごしたり、長期で海外旅行に行ったり、長期でインターンをしたりしているようです。また、例えば平日は勉強し週末は徹底的にはじける!といったように、オンオフの切り替えやリフレッシュのしかたが上手だな、と感じさせられることも多かったです。

なぜよく勉強するのか?

1. 卒業時の成績ランクが、その後の学業・キャリアに影響するため

イギリスの大学では卒業時、成績によってランク付けが行われます。ランクは高いものから順番に「1st」、「2:1(Upper Second)」、「2:2(Lower Second)」、「3rd」、「Pass(Ordinary degree)」の5段階になっています。この評価によって、進学組はどのレベルの大学院に進めるかが変わってくるのです。就職組も良い成績で卒業しなければ、選考時不利になってしまいます。一般的には2:1以上が望ましいと考えられていて、1stでの卒業は家族や周囲からも誇らしいと言われるレベルです。 日本では大学院進学にあたって、よほど悪くない限り学部時代の成績はあまり重視されないと聞いたことがあります。就職についても、私の経験上成績はそれほど見られず、自己アピールもアルバイトやサークルなどでのエピソードを求められることが多かったです。 日本では「どの大学を卒業したか」、イギリスでは「どのランクで卒業したか」が特に重視されることが、大学での勉強量の違いにつながっているのでしょう。 イギリスの大学の授業

2. 学生の自主性を促す環境であるため

授業の環境も、イギリスの学生がよく勉強する要因の1つだと感じました。これについて①少人数での授業が多いこと②教授やチューターとの距離の近さに分けて書きたいと思います。 まず①について、イギリスの大学の授業は大教室・大人数でのレクチャー(講義)と、10名前後の少人数でのセミナー(ディスカッション形式のゼミのようなもの)がほぼ半々の比率です。日本の大学に比べてセミナーの比重が高いために、自分が発言をする機会が増える→知識がなければまともな発言ができない→自主的に勉強する、というサイクルになっていきます。 ②については、少人数のセミナーが多いためにチューターとの距離が近くなり、エッセイや課題の相談も熱心に受けてくれます。またレクチャーの講師が生徒の名前と顔を覚えていることも多く、学生と教授たちの距離が近いと感じました。講師・チューターとの距離の近さは、学生のモチベーション維持や自主的に取り組む姿勢につながっていると思われます。

 3. 課題量が多いため

課題量の多さも直接的に勉強量の多さにつながります。課題量は授業によって様々ですが、私が履修していたほぼ全ての授業で毎回リーディング課題が課され、1日中眉間が痛くなるほど英文を読み続けたもこともありました。レクチャー・セミナーともにリーディングをこなしたことを前提に進められるので、課題をこなさなければ授業についていくことができません。 また、学期末課題(エッセイ)も日本のものに比べて重いです。授業ごとに3000~4000ワード程のエッセイが課されるのですが、ワード数の100分の1の文献数を参照することが求められます。例えると、3000ワードのエッセイを書くには30冊の文献を参照することが望ましいということになります。 リーディング

おわりに

以上のような様々な理由から(もちろん個人差はありますが)、イギリスの大学ではよく勉強する学生が多いです。交換留学生としては、ただでさえ正規やネイティブの学生よりも課題に時間がかかるのに、彼らの勉強量も多いため初めは本当に大変でした。しかしこのような環境で頑張ったことは、自分にとって非常に良い経験になったと思います。 皆さんが周囲に良い刺激を受けながら、充実した留学生活が送れることをお祈りしています!

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